簿記3級コース > Chapter4 商品売買 >
Lesson4 返品
取引の概要
売買した商品に品違いがあったり、欠陥があったりした場合、返品が行われます。
売り上げた商品が返品されることを「売上戻り」といい、仕入れた商品を返品することを「仕入戻し」といいます。
会計処理
返品の会計処理は、売上戻りと仕入戻しの2パターンあります。それぞれ例題とともに見ていきましょう。
売上戻り
返品が行われた場合には、結果的に商品売買取引がなかったことになります。
そのため、売上の取り消しを行います。具体的には、返品額について、商品販売時の逆仕訳を行います。
逆仕訳とは、借方と貸方が逆の仕訳をいいます。
例題1
100,000円で掛け販売した商品のうち、1,000円分が品違いのため返品された。
売り上げたことがなかったことになるため、収益の減少で「売上」勘定は借方に来ます。
また、商品の売上代金を受け取る権利が減少するため、資産の減少として「売掛金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
売上 | 1,000 | 売掛金 | 1,000 |
仕入戻し
返品が行われた場合には、結果的に商品売買取引がなかったことになります。 そのため、仕入の取り消しを行います。具体的には、返品額について、商品仕入時の逆仕訳を行います。
例題2
100,000円で掛け仕入れした商品のうち、1,000円分が品違いであったため返品した。
商品の仕入代金を支払う義務が減少するため、負債の減少として「買掛金」勘定は借方に来ます。
また、仕入れたことがなかったことになるため、費用の減少として「仕入」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 1,000 | 仕入 | 1,000 |