問1. 次の取引について仕訳しなさい。

当社は、建物5,000,000円を購入し代金は小切手を振り出して支払った。なお、登記料20,000円は現金で支払った。
[judge]
?journal[3][3][差入保証金,建物,当座預金,現金,仕入,支払手数料]
[explanation]
建物の購入代価5,000,000円に付随費用である登記料20,000円を加えた5,200,000円が「建物」勘定になります。
購入代価の金額分は小切手を振り出して支払ったので、「当座預金」勘定を用いて資産の減少として処理し、登記料の金額分は現金で支払っているので、「現金」勘定を用いて資産の減少として処理します。
[/explanation]
[/judge]

## 取引の概要
Chapter2の基本的な取引にて、「固定資産の取得」について学びました。\
しかし、固定資産を購入するにあたり、**購入代価**（固定資産の本体の金額）の他に、固定資産が使用可能となるまでの支出（購入手数料、運送費、荷役費、据付費、試運転費、登記料など）が生じることがあります。\
このような支出を**付随費用**といいます。\
これら２つを合わせた金額、すなわち、固定資産を取得するために要した原価が**取得原価**となります。\
したがって、以下の式が成り立ちます。
[box 取得原価の算出式]
取得原価＝購入代価＋付随費用
[/box]
## 会計処理
固定資産を取得した場合、**取得原価**をもって「**建物**」勘定などの**資産の増加**として処理します。\
先ほども言いましたが、この固定資産の取得原価は、**購入代価に付随費用を加えた金額**となります。
[box 例題1]
備品10,000円を購入し、運送費1,000円を合わせた代金を現金で支払った。
[/box]
備品の取得原価は、購入代価に付随費用を加えた金額になります。\
備品：購入代価10,000円＋付随費用1,000円＝11,000円\
よって、仕訳は以下のようになります。
[journal]
備品 11,000 / 現金 11,000
[/journal]
## 固定資産の後払い(取得側)
商品売買と同じように、固定資産の購入代金を後払いにすることがあります。\
しかし、会計処理は商品売買とは異なりますので、注意が必要です。
## 会計処理
固定資産の後払い(取得側)の会計処理は、「固定資産の購入時」と「代金の決済時」の2パターンです。それぞれ例題とともに見ていきましょう。
### 固定資産の購入時
固定資産を購入し、代金を後払いとした場合は、後に代金を支払う義務が生じるため「**未払金**」勘定を用いて**負債の増加**として処理します。\
商品売買の後払いと同様に「買掛金」勘定を用いないのは、会社の本業である商品売買取引とそれ以外の取引を区別して記帳するためです。
[box 例題2]
デビクレ株式会社は、土地を10,000円で購入し、代金は後払いとした。
[/box]
「土地」勘定を用いて資産の増加を表すとともに、固定資産の後払いなので、「未払金」勘定を用いて負債の増加とします。\
よって、仕訳は以下のようになります。
[journal]
土地 10,000 / 未払金 10,000
[/journal]
### 代金の決済時
代金の決済時には、支払義務がなくなるため、「**未払金**」勘定を用いて**負債の減少**として処理します。
[box 例題3]
デビクレ株式会社は、後日、例題2の代金10,000円を現金で支払った。
[/box]
決済により支払義務がなくなるので、負債の減少として「未払金」勘定は借方に来ます。\
よって、仕訳は以下のようになります。
[journal]
未払金 10,000 / 現金 10,000
[/journal]

借方科目	金額	貸方科目	金額