Lesson 1

材料の分類・購入原価・材料副費

このレッスンで学ぶこと

材料を買ったときは、まだ使っていない材料を資産として記録します。使ったときに、その分が材料費になります。材料の種類を整理し、材料の代金と購入に伴う費用から、材料勘定へ記録する金額を求めます。

材料費の種類

材料費は、製造のために物品を消費した原価です。物品の役割と、製品ごとの消費額を把握できるかを確かめます。

分類 内容と例 通常の扱い
主要材料費 製品の主な部分となる材料。家具の木材など 直接材料費
買入部品費 外部から買い、製品へ取り付ける部品。機器に組み込むモーターなど 直接材料費
補助材料費 製造を補助する材料。機械の潤滑油など 間接材料費
工場消耗品費 製造に使う消耗品。工場の清掃用の布など 間接材料費
消耗工具器具備品費 短期間に消耗する工具類。少額のドリル刃など 間接材料費

製品に入る物でも、少額で製品ごとの使用量を追わない材料は、間接材料費として扱うことがあります。長期間使う製造機械の購入額は固定資産であり、そのまま材料費にはしません。

直接材料費は仕掛品へ、間接材料費は製造間接費へ集めます。受払いを記録する材料は、材料勘定に購入額を記録し、消費した分を振り替えます。工場消耗品などで受払いの記録を行わないものは、原則として当月の買入額を当月の原価とします。

数量と金額を記録する資料

材料を受け取ったときは、納品書や検収報告書などで品名・数量・品質を確かめます。検収は、届いた材料が注文どおりか確認することです。材料を製造現場へ渡すときは、材料出庫票などで品名・数量・使用先を記録します。

材料元帳は、材料の種類ごとに受入れ・払出し・残高を数量と金額で記録する補助簿です。材料元帳の合計と、総勘定元帳の材料勘定を照合します。実際に残る数量は、実地棚卸によって確かめます。

購入代価に材料副費を加える

購入代価は、材料そのものの代金です。購入原価は、購入代価に、購入に伴う費用である材料副費を加えた金額です。購入時の値引きや割戻しは、購入原価から差し引きます。

材料副費の区分 主な内容 購入原価との関係
外部材料副費 引取運賃、買入手数料、荷役費、保険料、関税など 材料を引き取るための費用として加える
内部材料副費 購入事務、検収、整理、保管などの費用 採用した処理に従って加える

内部材料副費の一部を購入原価に含めず、間接経費とする場合などもあります。計算では、どの副費を購入原価に含める条件かを確かめます。

購入原価=値引きなどを差し引いた購入代価+購入原価に含める材料副費

例題:実際額で購入原価を求める

材料10kgを1kgあたり1,000円で掛け購入し、購入時に1,000円の値引きを受けた。引取運賃500円と内部材料副費300円は現金で支払った。これらの副費は全額を購入原価に含める。

購入原価と1kgあたりの取得単価を求め、購入時の仕訳を示しなさい。

解答と解説

値引き後の購入代価は10×1,000−1,000=9,000円です。購入原価は9,000+500+300=9,800円、取得単価は9,800÷10=980円です。

値引き後の購入代価9,000円、引取運賃500円、内部材料副費300円を合わせて、購入原価9,800円となる。

材料という資産が9,800円増えるため、材料を借方に記録します。掛け代金9,000円は買掛金の増加、現金で払った副費800円は現金の減少なので、いずれも貸方です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
材料 9,800 買掛金 9,000
現金 800

買っただけでまだ使っていないため、この時点では仕掛品へ振り替えません。

材料副費を予定配賦する

材料副費の実際額がすぐには分からない場合、あらかじめ決めた予定配賦率で材料へ加えることがあります。予定配賦率は、一定期間の予定副費総額を、その期間の予定購入代価や予定購入数量で割って求めます。

例えば、年間の内部材料副費を20,000円、年間の材料購入代価を400,000円と見込めば、購入代価を基準とする予定配賦率は20,000÷400,000=5%です。この率を、当月の実際購入代価へ掛けます。

当月の購入代価が20,000円、実際の引取運賃が1,000円で、内部材料副費だけを5%で予定配賦する場合は、次のようになります。

内部材料副費の予定配賦額=20,000×5%=1,000円

材料への記帳額=20,000+1,000+1,000=22,000円

外部副費まで予定率に含む条件なら、実際の外部副費を重ねて加えません。予定率の対象と、その率を掛ける基準を分けて読みます。

予定配賦額と実際額の差を整理する

予定配賦する副費は、材料副費勘定へ実際発生額を借方に集め、材料へ加えた予定配賦額を貸方に記録します。その差が材料副費配賦差異です。

上の例で内部材料副費の実際発生額が1,200円だった場合、予定配賦した1,000円より200円多くかかっています。この200円は不利差異です。実際額が予定配賦額より少なければ、有利差異です。

内部材料副費1,200円を現金で支払い、購入代価20,000円を掛け、引取運賃1,000円を現金で支払った場合の記帳は次のとおりです。

記帳する場面 借方科目 金額 貸方科目 金額
内部副費の実際発生 材料副費 1,200 現金 1,200
材料の購入 材料 22,000 買掛金 20,000
現金 1,000
材料副費 1,000
月末の差異振替 材料副費配賦差異 200 材料副費 200

月末には、材料副費の借方残高200円を貸方へ記入して消し、材料副費配賦差異の借方へ移します。材料へはすでに予定額を加えているため、実際副費1,200円をもう一度材料へ全額加えることはしません。

材料副費配賦差異は、原則として年度末に売上原価へ振り替えます。不利差異は売上原価を増やし、有利差異は売上原価を減らします。上の200円を年度末に全額売上原価へ振り替えるものとすると、仕訳は借方「売上原価」200円、貸方「材料副費配賦差異」200円です。

まとめ

材料の購入では、材料そのものの代価に、条件に従った材料副費を加えます。副費を予定配賦する場合、材料へ加える予定額と、実際に発生した副費を区別し、その差を材料副費配賦差異として整理します。