Lesson 3

補助部門費の相互配賦法(簡便法)

このレッスンで学ぶこと

補助部門同士でも、修繕や運搬のサービスを利用し合うことがあります。相互配賦法の簡便法では、その関係を一度反映してから、製造部門へ原価を集めます。

相互配賦法の簡便法では、まず元の補助部門費を製造部門と他の補助部門へ配る。次に他の補助部門から受け入れた分だけを製造部門へ配る。

元の費用を配る段階と、他の補助部門から受けた分だけを配る段階を区別します。

簡便法の二段階

第1次配賦では、各補助部門の費用を、製造部門と他の補助部門へ、用役の比率で配ります。第2次配賦では、補助部門が第1次配賦で他の補助部門から受け入れた額を、製造部門だけへ配ります。

段階 配る金額 配る相手
第1次配賦 各補助部門にもともと集計した費用 製造部門と他の補助部門
第2次配賦 第1次配賦で他の補助部門から受け入れた額 製造部門だけ

ここでいう第1次・第2次配賦は、補助部門費を配る二段階です。工場全体の家賃などを最初に各部門へ分ける計算とは区別します。

第2次配賦で、最初の補助部門費を全額もう一度配るわけではありません。また、他の補助部門へ再配賦し続ける方法でもありません。

例題:補助部門の受入額をもう一度分ける

補助S部門費12,000円、補助T部門費9,000円を、相互配賦法の簡便法で製造A・B部門へ配賦する。Sからの用役比率はA:B:T=1:2:1、TからはA:B:S=1:1:1であり、自部門への用役はなかった。

第1次・第2次配賦額と、A・Bが負担する補助部門費の最終合計を求めなさい。

解答と解説

第1次配賦

Sは12,000円を1:2:1、合計4に分けます。Tは9,000円を1:1:1、合計3に分けます。

提供部門 製造Aへ 製造Bへ 他の補助部門へ 配賦額合計
S 3,000 6,000 Tへ3,000 12,000
T 3,000 3,000 Sへ3,000 9,000

金額の単位は円です。SとTはそれぞれ、もともとの費用を全額配っています。一方、他の補助部門からSへ3,000円、Tへ3,000円が入ってくるので、この受入額が第2次配賦の対象になります。

製造部門が第1次配賦で受けた額は、Aが3,000+3,000=6,000円、Bが6,000+3,000=9,000円です。

第2次配賦

Sが受け入れた3,000円は、製造A:B=1:2で分けます。Tが受け入れた3,000円は、A:B=1:1で分けます。補助部門向けの用役は、この段階の分母へ含めません。

配賦元 第2次配賦の対象額 製造Aへ 製造Bへ
S 3,000 3,000×1/3=1,000 3,000×2/3=2,000
T 3,000 3,000×1/2=1,500 3,000×1/2=1,500
合計 6,000 2,500 3,500

Sの対象額を12,000+3,000=15,000円にはしません。最初の12,000円は第1次配賦ですでに配ったためです。第2次では、他部門から受け入れた3,000円だけを配ります。

製造部門への最終配賦額

製造部門 第1次で受けた額 第2次で受けた額 最終合計
A 6,000 2,500 8,500
B 9,000 3,500 12,500
合計 15,000 6,000 21,000

最終合計21,000円は、最初のS12,000円+T9,000円と一致します。第2次配賦後には、S・Tの受入額もすべて製造部門へ移り、補助部門費残高はゼロになります。

この表は補助部門費の配賦額だけを示しています。A・Bにもともとの部門費がある場合、最終的な製造部門費を求めるには、その額へここで求めた配賦額を加えます。

直接配賦法との違い

直接配賦法は、最初から製造部門向けの比率だけで配ります。簡便法による相互配賦は、第1次で補助部門同士の関係も反映し、第2次で残った受入額を製造部門へ集めます。

第2次の計算だけを見ると直接配賦法と似ていますが、対象金額が異なります。配る段階と、今どの金額が補助部門へ残っているかを確認します。

まとめ

相互配賦の簡便法は、第1次で他の補助部門も含めて配り、第2次で受け入れた額だけを製造部門へ配ります。最初の原価を二重に配らず、最終配賦額の合計が元の補助部門費と一致するか確かめます。