Lesson 6

組別総合原価計算

このレッスンで学ぶこと

異なる種類の製品を、それぞれ続けて生産する場合には、組ごとに原価を計算します。共通費を各組へ分けた後、その組の完成品と仕掛品へ原価を配分します。

異なる製品を作るA組とB組の原価を別々に集め、両組に共通する費用を基準に従って配賦する。

異なる製品の原価は組ごとに分け、共通費を基準に従って配ります。

製品の種類ごとに組を分ける

組別総合原価計算は、異なる種類の製品を組ごとに連続生産する場合の原価計算です。例えば製品Aと製品Bを、それぞれ継続して製造する場合に、A組・B組と区別します。

注文ごとの指図書で原価を集める個別原価計算と異なり、各組について一定期間の生産分をまとめて計算します。ただし、異なる組をすべて混ぜて同じ単価にするわけではありません。

組直接費と組間接費

組直接費は、どの組のために発生したかが直接分かる費用です。組間接費は、複数の組に共通して発生する費用で、機械時間などの適切な基準により各組へ配賦します。

原価 各組への集め方
組直接費 該当する組へ直接集める
組間接費 使用時間などの基準で各組へ分ける

まず各組の原価を確定し、それから組ごとの総合原価計算を行います。共通費の配賦と、完成品・仕掛品への配分は二つの別の計算です。

例題:組間接費を分ける

当月の組直接費はA組8,000円、B組12,000円であった。組間接費6,000円を、機械時間A20時間:B40時間で配賦する。月初・月末仕掛品はなく、完成数量はA20個、B40個であった。

各組の完成品原価と1個あたり原価を求めなさい。

解答と解説

組間接費の配賦基準は合計20+40=60時間です。1時間あたり6,000÷60=100円となります。

A組への配賦額=100×20=2,000円

B組への配賦額=100×40=4,000円

内訳 A組 B組 合計
組直接費 8,000 12,000 20,000
組間接費配賦額 2,000 4,000 6,000
完成品原価 10,000 16,000 26,000
完成数量 20個 40個 60個
1個あたり原価 500 400 ―

金額の単位は円です。Aは10,000÷20=500円、Bは16,000÷40=400円です。原価合計26,000円を合計60個で割って、両組共通の単価にはしません。

月末仕掛品は組ごとに残す

月初や月末に仕掛品がある場合は、各組について、その原価を含めて完成品と仕掛品へ分けます。

各組の完成品原価=その組の月初仕掛品原価+当月原価−月末仕掛品原価

当月原価には、組間接費の配賦額も含みます。材料費と加工費を分ける場合、組間接費を加工費へ含める条件なら、加工費の総額に加えてから配分します。配賦済みの組間接費をもう一度加えないようにします。

例題:一つの組の未完成分

A組に月初仕掛品はなく、当月20個に着手し、16個が完成、4個が加工進捗度50%で月末に残った。材料は始点で全量投入され、加工は均等に進む。A組へ集計した材料費は6,000円、組間接費配賦額を含む加工費は3,600円で、仕損・減損はなかった。

A組の完成品原価と月末仕掛品原価を求めなさい。

解答と解説

材料費は20個全体に入っているため、1個あたり6,000÷20=300円です。加工費の換算量は16+4×50%=18個分なので、1個分あたり3,600÷18=200円です。

原価 完成16個 月末4個
材料費 300×16=4,800 300×4=1,200
加工費 200×16=3,200 200×2=400
合計 8,000 1,600

完成8,000円と月末1,600円の合計9,600円が、材料費6,000円+加工費3,600円に一致します。他の組の費用や数量をここへ混ぜず、A組の中で配分します。

共通加工費を配ってから、各組の先入先出法へ

共通加工費の配賦に使う基準と、各組の完成品換算量は役割が違います。配賦で各組の当月加工費を決めた後、その金額を各組の先入先出法へ入れます。

例えば当月原料費はA組12,000円、B組8,000円です。共通加工費16,000円を当月原料費の比率で配るなら、A組は16,000×12,000÷20,000=9,600円、B組は6,400円です。月初原料費を配賦基準に加えない条件に注意します。

ここからA組だけを計算します。材料は始点投入で加工は均等、月初20個・加工50%、完成70個、月末10個・加工40%、月初原料費3,000円・月初加工費1,200円とします。仕損・減損はなく、月初仕掛品はすべて完成しています。

区分 原料費 加工費
当月原価 12,000 9,600
当月の換算量 70+10−20=60 70+10×40%−20×50%=64
月末仕掛品原価 12,000÷60×10=2,000 9,600÷64×4=600

月末仕掛品は2,600円です。完成品は月初4,200+当月21,600−月末2,600=23,200円となります。各組の投入原価と、完成品・月末仕掛品の合計が一致するか確かめます。

B組はB組だけの月初・当月・完成・月末資料を使い、同じ手順で別に計算します。

まとめ

組別総合原価計算は、組直接費と組間接費を各組へ集めた後、組ごとに完成品と仕掛品へ原価を配分します。異なる製品の原価や数量を混ぜず、共通費の配賦を二重に加算しません。