Lesson 1

固定費・変動費と高低点法

このレッスンで学ぶこと

生産量が変わったときの費用を予測するには、数量に応じて変わる部分と、一定の部分を分けます。固定費・変動費の性質と、過去の実績から両者を推定する高低点法を学びます。

高低点法では活動量の最少点と最多点を選び、その二点に対応する費用を使う。活動量が中間の点は、費用が最大でも選ばない。

高低点法で選ぶ二点は、費用額ではなく活動量の大小で決めます。

総額と1個あたりを区別する

固定費は、一定の操業範囲では総額が一定と考える費用です。変動費は、数量に応じて総額が変わる費用です。ここでは変動費率を一定とする直線的な関係を使います。

費用総額=固定費+1個あたり変動費×生産量

区分 総額の動き 1個あたりの動き
固定費 範囲内では一定 生産量が増えるほど小さくなる
変動費 生産量に比例する 率が一定なら変わらない

例えば固定費6,000円なら、生産100個では1個あたり60円、200個では30円です。総額が固定でも、1個あたりまで固定ではありません。

費用の内容から分ける方法

費目別精査法は、費目ごとの内容を調べ、固定費・変動費などへ分類する方法です。例えば一定額の工場家賃と、使用量に応じる電力の従量料金では、数量が変わったときの動きが異なります。

基本料金と従量料金がある費用のように、固定部分と変動部分を持つものもあります。科目名だけで一律に決めず、契約や費用の発生の仕組みを確かめます。

高低点法は活動量の最高・最低を使う

高低点法では、過去の実績から、生産量などの活動量が最大の点と最小の点を選びます。その二点の費用差を数量差で割ると、1個あたりの変動費を推定できます。

1個あたり変動費=最高活動量の費用と最低活動量の費用の差÷最高・最低活動量の差

固定費=選んだ点の費用総額−1個あたり変動費×その点の数量

選ぶのは費用額が最大・最小の二点ではありません。どの活動量に対応する費用かを、対にして使います。

例題:活動量を見て二点を選ぶ

過去3か月の生産量と費用実績は次のとおりであった。高低点法により、1個あたり変動費と固定費を求めなさい。

月 生産量 費用総額
4月 100個 14,000
5月 150個 23,000
6月 200個 22,000

金額の単位は円です。

解答と解説

活動量が最低なのは4月100個、最高なのは6月200個です。費用が最も多い5月を最高点にはしません。

1個あたり変動費=(22,000−14,000)÷(200−100)=80円

4月のデータで固定費を求めると、14,000−80×100=6,000円です。6月でも22,000−80×200=6,000円になり、一致します。

よって、推定した費用の関係は次のようになります。

予測費用=6,000+80×生産量

この推定式で150個を計算すると18,000円です。実績の5月23,000円とは一致しません。高低点法は選んだ二点から推定する方法なので、他のすべての実績へ完全に一致するわけではありません。

予測へ使うときの条件

推定式を使うときは、想定した操業範囲内で、費用構造が大きく変わらないことを確認します。設備の増設などで固定費自体が変わる場合に、古い式を無条件に当てはめません。

前の推定式を使い、同じ操業範囲で180個を作るなら、予測費用は6,000+80×180=20,400円です。

この20,400円は実際発生額の確定値ではなく、与えられた関係からの予測です。特異な実績がないかも確かめながら利用します。

まとめ

固定費・変動費は総額と1個あたりで動きが違います。高低点法は活動量の最高・最低二点から変動費率を求め、固定費を分けます。推定した式は、その前提と操業範囲を確かめて使います。