Lesson 13
株主資本等変動計算書
このレッスンで学ぶこと
株式発行や利益、配当によって、純資産の各残高は変わります。株主資本等変動計算書で、その変動理由と期首から期末へのつながりを読み取ります。

一つの純資産項目について、期首残高に当期の増加と減少を反映し、期末残高へつなげます。
何が増減したのかを説明する書類
株主資本等変動計算書は、純資産の各項目について、期首残高、当期の増減、期末残高を示す書類です。期末残高は貸借対照表の純資産の各項目と一致します。
株主資本の各項目では、当期の増減を「株式の発行」「剰余金の配当」「当期純利益」などの理由ごとに示します。
当期首残高+当期増加額−当期減少額=当期末残高
当期変動額は、その期に増減した額です。期末残高そのものと区別します。
合計が変わる取引と内部振替
| 変動事由 | 主な項目の動き | 株主資本合計 |
|---|---|---|
| 株式発行による払込み | 資本金や資本準備金が増加 | 増加 |
| 当期純利益 | 繰越利益剰余金が増加 | 増加 |
| 剰余金の配当 | 配当原資の剰余金が減少 | 減少 |
| 利益準備金の積立て | 繰越利益剰余金から利益準備金へ振替 | 変わらない |
| 別途積立金への振替 | 繰越利益剰余金から別途積立金へ振替 | 変わらない |
配当の決定により未払配当金を計上した後、実際に支払うときは未払配当金と預金が減ります。株主資本をもう一度減らすことはありません。
例題 期末残高をつなぐ
当社の当期首の株主資本は、次のとおりであった。
(単位:円)
| 科目 | 当期首残高 |
|---|---|
| 資本金 | 80,000 |
| 資本準備金 | 10,000 |
| 利益準備金 | 2,000 |
| 繰越利益剰余金 | 8,000 |
| 株主資本合計 | 100,000 |
当期に株式を発行して10,000円の払込みを受け、資本金と資本準備金を各5,000円増やした。当期純利益は6,000円であった。また、当期中に繰越利益剰余金からの配当2,000円が確定し、利益準備金200円を積み立てた。株主資本の変動は以上のみとする。
まず、繰越利益剰余金を計算します。利益で増え、配当と準備金の積立てで減ります。
当期末の繰越利益剰余金=8,000+6,000−2,000−200=11,800円
次に、株主資本の合計を計算します。払込みと利益で増え、配当で減ります。準備金への振替200円は合計から引きません。
当期末の株主資本合計=100,000+10,000+6,000−2,000=114,000円
この二つの欄を抜き出すと、次のようになります。△は減少、―は変動がないことを表します。
(単位:円)
| 項目 | 繰越利益剰余金 | 株主資本合計 |
|---|---|---|
| 当期首残高 | 8,000 | 100,000 |
| 株式の発行 | ― | 10,000 |
| 剰余金の配当 | △2,000 | △2,000 |
| 利益準備金の積立て | △200 | ― |
| 当期純利益 | 6,000 | 6,000 |
| 当期変動額合計 | 3,800 | 14,000 |
| 当期末残高 | 11,800 | 114,000 |
利益準備金の欄では、積立てによる増加200円を示します。各科目の増減を合計した結果と、株主資本合計の欄が一致するか確かめます。
その他有価証券評価差額金を加える
その他有価証券評価差額金は株主資本とは別の純資産項目です。当期の増減は、差引きした純額で表示します。
上の会社で、評価差額金の当期首残高が300円、当期末残高が900円であった。いずれも税効果反映後の正の残高で、ほかに純資産の項目はないものとする。
当期変動額は900−300=600円の増加です。一方、期末の純資産合計には、変動額600円ではなく期末残高900円を加えます。
当期末の純資産合計=株主資本114,000+評価差額金900=114,900円
当期首の純資産100,300円に、株主資本の増加14,000円と評価差額金の増加600円を加えても、114,900円になります。
まとめ
- 各項目の期首残高と増減をつなぎ、期末残高を求めます
- 内部振替では項目ごとの残高が変わっても、株主資本合計は変わりません
- 純資産合計には、株主資本以外の項目の期末残高も含めます