Lesson 2
無形固定資産の取得・償却と台帳
このレッスンで学ぶこと
特許権のように形のない権利も、長く事業に役立つ資産になります。購入した権利の取得原価・償却・固定資産台帳での管理を学びます。

無形固定資産とは
無形固定資産は、物の形を持たない、長期にわたって事業に役立つ資産です。特許権や商標権、ソフトウェアなどが含まれます。
形がないからといって、購入額をすべてその日の費用にするわけではありません。ここでは、資産として計上する購入特許権を扱い、取得に直接必要な付随費用も取得原価へ含めます。
例題 特許権の取得
特許権を18,000円で購入し、取得に直接必要な登録費用2,000円とともに普通預金から支払った。この権利は無形固定資産として計上する。消費税は考慮しない。
取得原価は18,000+2,000=20,000円です。特許権という資産の増加を借方、普通預金の減少を貸方へ記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
特許権 | 20,000 | 普通預金 | 20,000 |
この登録費用は取得に直接必要な費用という条件なので、別の支払手数料へ切り離しません。
特許権を償却する
取得原価は、権利を利用する期間へ配分します。この特許権を期首から1年間使用し、償却期間5年、残存価額ゼロ、定額法・直接法で償却するとします。少額資産の一括費用処理は行いません。
当期償却額=20,000÷5=4,000円
費用の発生として特許権償却を借方へ記録します。直接法なので、特許権勘定を貸方へ記録して資産を減らします。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
特許権償却 | 4,000 | 特許権 | 4,000 |
償却後の帳簿価額は16,000円です。償却期間は設例の条件を確認し、購入した特許権なら必ず同じ年数になると決めつけないようにしましょう。無形固定資産の種類によって扱いは異なるため、すべてを一律に同じ方法・年数で償却するわけではありません。
残りの期間から求める場合
当期首の帳簿価額が9,000円、残存償却期間が3年、残存価額ゼロと与えられた場合、1年分の償却額は9,000÷3=3,000円です。ここでは、残っている未償却額を残りの期間へ配分します。
当初の取得原価を残存期間で割ると、すでに償却した分まで再び配分してしまいます。取得原価なのか、現在の帳簿価額なのかを確認してください。
固定資産台帳で原価と残高を管理する
直接法では特許権勘定の残高が減るため、台帳で当初の原価や償却の経過も管理します。上の20,000円の例を、次のように記録できます。
| 管理項目 | 記録例 |
|---|---|
| 名称 | 製品Aに関する購入特許権 |
| 取得日・使用開始日 | 当期4月1日 |
| 取得原価 | 20,000円 |
| 償却方法・期間 | 定額法・5年・直接法 |
| 当期償却額 | 4,000円 |
| 償却済み額の合計 | 4,000円 |
| 期末帳簿価額 | 16,000円 |
この例の会計期間は4月1日から翌年3月31日までです。台帳の残高を総勘定元帳と照合することで、記帳漏れや二重償却の確認にも役立ちます。
まとめ
- 資産計上する特許権の取得原価には、取得に直接必要な付随費用を含めます
- 指定された償却期間へ配分し、直接法なら権利の勘定を直接減らします
- 台帳では当初の取得原価と、償却済み額・現在の帳簿価額を区別して管理します