Lesson 5

長期前払費用と1年基準

このレッスンで学ぶこと

数年分の保険料などを先に払っても、その全額が当期の費用になるわけではありません。当期の費用、1年以内に費用となる前払い、それより先の前払いへ分ける方法を学びます。

支払済みの保険料などを、当期費用、決算日の翌日から1年以内の前払費用、1年を超える長期前払費用に分ける。

支払日と、費用になる期間を分ける

保険などのサービスに対する費用は、そのサービスを受ける期間へ配分します。翌期以降の分は、すでに支払っていても資産として残します。

長期前払費用は、貸借対照表日の翌日から1年を超えて費用となる前払部分です。未払費用という負債ではなく、先に払った分を表す資産です。貸借対照表では「投資その他の資産」に区分します。

対応する期間 処理・表示
当期にサービスを受けた分 当期の費用
決算日の翌日から1年以内に費用となる分 流動資産の前払費用
1年を超えて費用となる分 長期前払費用

例題 3年分の保険料を払った場合

当期首4月1日から3年間を対象とする保険料12,000円を、当期首に普通預金から支払った。当期の決算日は翌年3月31日である。保険のサービスは均等に提供され、期間に応じて費用配分する。支払時は全額を支払保険料で記帳した。

1年当たりの費用は12,000÷3=4,000円です。決算時には次のように分けます。

区分 金額
当期の1年分の支払保険料 4,000円
翌期の1年分の前払保険料 4,000円
その先の1年分の長期前払費用 4,000円
合計 12,000円

支払時に費用へ計上した12,000円のうち、翌期以降の8,000円を資産へ繰り延べます。前払保険料4,000円と長期前払費用4,000円を借方、費用を減らす支払保険料8,000円を貸方へ記録します。

(単位:円)

借方科目
金額
貸方科目
金額
4,000
8,000
4,000

調整後の当期費用は4,000円です。資産として残る合計8,000円も、すべて長期前払費用にするわけではありません。

時間が進むと、区分も変わる

長期前払費用にしていた金額でも、決算日が進むと、翌日から1年以内に費用となる部分が出てきます。その部分を流動資産へ振り替えます。

例えば、当期分の費用処理を終えたあと、翌期以降の保険料が長期前払費用6,000円で残っており、そのうち翌期1年分が3,000円なら、次の振替が必要です。

(単位:円)

借方科目
金額
貸方科目
金額
3,000
3,000

流動資産の前払保険料を借方に増やし、長期前払費用を貸方で減らします。この振替だけでは、費用の総額も資産の総額も変わりません。資産の表示区分を変えています。

期中に支払った場合の月割り

期中に複数年分を払った場合は、当期分が12か月とは限りません。月割りの条件なら、まず1か月分を求め、当期に対応する月数、翌日から1年以内の月数、それより先の月数へ分けます。

例えば10月1日から3年分7,200円を払い、翌年3月31日に決算を迎えた場合、月額200円です。当期6か月分1,200円、翌期12か月分2,400円、その先18か月分3,600円に分かれます。

まとめ

  • 費用は支払った金額全体ではなく、当期のサービスに対応する分です
  • 翌期以降分は、決算日の翌日から1年以内か、それを超えるかで資産を分けます
  • 長期前払費用から前払費用への振替は、費用計上とは別の処理です