Lesson 9

オペレーティング・リースと賃借料

このレッスンで学ぶこと

賃貸借処理をするリースでは、利用した期間に対応する使用料を費用にします。事務所の家賃と、返還される保証金も分けて記録します。

通常の賃貸借処理をする場合、借りた機械の当期の利用に対応する使用料を、支払リース料という費用として記録する。

2026年度(2027年3月31日まで)の出題範囲です。新リース基準の早期適用は扱いません。

オペレーティング・リースの賃貸借処理

ファイナンス・リースに該当しないリースを、オペレーティング・リースといいます。ここでは、通常の賃貸借取引に準じて処理する場合を扱います。

この処理では、借手は開始時にリース料総額をリース資産・リース債務へ計上せず、利用期間に対応する使用料を支払リース料として費用処理します。

例題 当月分の機械使用料

オペレーティング・リースとして賃貸借処理する機械の当月リース料2,000円を、普通預金から支払った。前払・未払分はなく、消費税は考慮しない。

当月の費用として支払リース料2,000円を借方へ記録し、支払った普通預金を貸方へ記録します。

(単位:円)

借方科目
金額
貸方科目
金額
2,000
2,000

ファイナンス・リースの返済仕訳で使ったリース債務を、この支払いで減らすのではありません。

前払・未払があれば期間をそろえる

例えば、10月1日に翌年9月30日までの1年分12,000円を払い、翌年3月31日に決算を迎えるなら、当期の使用料は6か月分6,000円です。残る翌期6か月分も、そのまま当期費用にしません。

全額を費用へ記帳していた場合は、翌期分を前払費用へ振り替えます。支払日だけでなく、どの期間の利用料かを確認します。

事務所の家賃と保証金

通常の賃貸借処理をする事務所の当月家賃は、支払家賃という費用です。一方、退去時に全額返還される保証金は、返還を受ける権利が残るため、差入保証金という資産へ記録します。

支払いの内容 科目と性質
当月の家賃 支払家賃・費用
全額返還される保証金 差入保証金・資産

例題 保証金と家賃を同時に払う

事務所を通常の賃貸借取引として借り、全額返還される保証金10,000円と当月家賃2,000円を普通預金から支払った。消費税は考慮しない。

差入保証金10,000円と支払家賃2,000円を借方に分け、支払総額12,000円を普通預金の貸方へ記録します。

(単位:円)

借方科目
金額
貸方科目
金額
10,000
12,000
2,000

12,000円の全額を家賃の費用にしないことが重要です。また、借りて使うだけの事務所を、建物の購入として記録する仕訳でもありません。

保証金に返還されない部分がある場合などは、契約条件によって扱いが変わります。この例は、全額返還される条件です。

まとめ

  • 賃貸借処理するリースは、利用期間に対応する使用料を費用へ記録します
  • 前払・未払があれば、当期に対応する額を分けます
  • 当月家賃と、全額返還される保証金を区別します