費用の見越しと未払費用~経過勘定の会計処理~
費用の見越しは簿記3級、簿記2級ともに決算整理仕訳で頻出です。
以下に、費用の見越しの概念や会計処理、計算方法、そして本日のクイズの解説を記載しております。
費用の見越しとは?
「費用の見越し」とは、当期に発生した費用を翌期以降に支払いを行うときに、まだ支払っていない当期分の費用を負債として計上することです。当期分の費用を翌期以降に支払う場合は、決算時に費用の見越しを行わなければなりません。
費用の見越しの会計処理は、費用を増加させて、新たに「未払費用」勘定を用いて負債を計上します。
計算方法と会計処理
ここでは、利息の未払いを例に見てみましょう。
借入金360,000円は、×1年7月1日に借入期間1年、利率年3%で借り入れたもので、利息は12月末と返済日の6月末に各半年分を支払うことになっている。会計期間が×1年4月1日~×2年3月31日であるとき、×2年3月31日の仕訳をしなさい。
×2年1月1日から×2年3月31日までの3ヶ月間は当期に該当するため、決算時には費用の見越しをします。当期の分の家賃(未払家賃)は以下の式で出すことができます。
360,000×0.03×3/12=2,700円
費用の見越しでは、費用を増やすとともに負債を計上します。したがって、支払利息を増やし、未払利息を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
支払利息 | 2,700 | 未払利息 | 2,700 |
クイズの解説
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支払保険料の見越計上と書いてあるので、費用の見越しを行います。
支払保険料という費用を増やし、未払保険料という負債を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
支払保険料 | 900 | 未払保険料 | 900 |
よって、正解は、○ でした!
費用の繰り延べと見越しは決算整理仕訳でよく出ますので、計算と仕訳ができるようにしておきましょう。