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平均原価法による平均単価の算出~有価証券の売却~

schedule2021-09-10

今回は簿記2級において有価証券の売却の仕訳で登場する「平均原価法」についてまとめました。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

平均原価法とは?

平均原価法とは、取得原価の合計金額を取得株式数の合計で割ったものを平均単価とする方法です。
企業は、同じ銘柄の株式等を複数回に分けて購入することがあります。その後に売却する場合、この平均原価法を用いて算出した平均単価に売却株式数を乗じた金額を帳簿価額とするのです。 例題とともに見ていきましょう。

例題

国原株式会社は売買目的で後宮株式会社の株式500株を、1回目に1株あたり450円で300株を、2回目に1株あたり500円で200株を当期中にすべて購入している。本日、A株式会社の株式100株を@480円で売却し、代金は月末に受け取ることとしたので適切な仕訳を行う。なお売却した有価証券の原価の計算は平均原価法による。

売却時の単価は平均原価法により計算します。
まず、取得原価の合計金額は
@450×300株+@500×200株=235,000円
取得株式数は
300株+200株=500株
よって、平均原価は、取得原価の合計金額を取得株式数で割ったものなので 235,000円/500株=@470
ゆえに、売却時の帳簿価額は
@470×100株=470,000円
売却価額は
@480×100株=480,000円
売却価額の方が帳簿価額よりも10,000円多いので、「有価証券売却益」が発生します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
未収金
480,000
売買目的有価証券
470,000
有価証券売却益
10,000

クイズの解説

@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1435937129717141508]

売却時の帳簿価額は、平均単価法による平均単価×売却株式数で求まります。 よって、平均単価は
(@250×100株+@300×150株)/(100株+150株)=@280
よって、正解は、○ でした!

今回のような計算がメインである場合は、実際に手を動かすことも大切です。