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銀行勘定調整表~企業の修正仕訳が不要な3つの項目~

schedule2021-08-19share

前回は、銀行勘定調整表の概要と企業の修正仕訳が必要な3つの項目について記載しました。 今回は、企業側の修正仕訳が不要な「時間外預入」、「未取付小切手」、「未取立小切手」の3つの項目について見てみましょう。

なぜ企業側の修正仕訳が不要?

企業の当座預金残高と銀行の当座預金残高の不一致の原因のうち、「時間外預入」、「未取付小切手」、「未取立小切手」の3つは、企業側が修正仕訳をする必要はありません。 なぜなら、これらは企業側が何もしなくても、時間が経過すれば自然に不一致が解消するためです。

これを踏まえて、3つのパターンを例題とともに見ていきましょう。

時間外預入

時間外預入」とは、その名の通り、企業が銀行の営業時間外に預け入れることです。 預け入れた時、企業側では「当座預金の増加」として仕訳していますが、銀行側では翌営業日まで処理が行われないので、一時的に両者の残高が不一致になります。 しかし、翌営業日になれば銀行の当座預金残高が増えるので、企業側の修正なしに不一致は解消されます。

例1

当座預金口座に10,000円預け入れたが、銀行の営業時間外であったため、翌日入金処理となった。

企業側: 仕訳なし

銀行側: 企業は、預け入れた際に当座預金を増やしていますが、銀行側の処理が行われていないため、銀行勘定調整表における銀行の当座預金残高が企業の当座預金残高よりも10,000円少ない状態です。 よって、銀行残高に10,000円加算します。

未取立小切手

未取立小切手」とは、代金回収のため他人が振り出した小切手を受け取り、銀行に持っていったが、銀行の都合でまだ取り立てていない状態の小切手です。 企業は、小切手を銀行に持って行った時に、「当座預金の増加」として処理を行っているため、一時的に両者の残高は不一致となります。 企業の修正仕訳が不要なのは、残高の不一致は、銀行が取り立てを行うことで解消し、いずれ当座預金から引き落とされるためです。

例2

銀行に預け入れていた小切手6,000円が未取立てであった。

企業側: 仕訳なし

銀行側: 企業は、小切手を預けた際に当座預金を増やしていますが、まだ銀行が取り立てていないため、銀行勘定調整表における銀行の当座預金残高が企業の当座預金残高よりも6,000円少ない状態です。 よって、銀行残高に6,000円加算します。

未取付小切手

未取付小切手」とは、代金支払いのために小切手を振り出したが、受け取った相手方が未だ銀行に持って行っていない(呈示していない)状態の小切手です。 企業は、小切手を振り出した時に「当座預金の減少」として処理を行っているため、一時的に両者の残高が不一致となります。 企業の修正仕訳が不要なのは、残高の不一致は、相手方が銀行へ呈示することで解消し、いずれ当座預金に入金されるためです。

例3

仕入先に対して振り出した小切手5,000円が未だ銀行に呈示されていない。

企業側: 仕訳なし

銀行側: 企業は、小切手を振り出した際に当座預金を減らしていますが、相手方が未呈示のため、銀行勘定調整表における企業の当座預金残高が銀行の当座預金残高よりも5,000円少ない状態です。 よって、銀行残高から5,000円減算します。

クイズ

問1

次の文章の正誤を判定しなさい。

「得意先に商品を売り上げ、1,500円の小切手を得意先から受け取り、直ちに当座預金に預け入れたが、銀行が小切手の取り立てを未だ行っていなかった」 このとき、銀行勘定調整表における銀行の残高に1,500円加算する。

「未取立小切手」なので、企業側の仕訳は必要ありません。しかし、小切手を持って言った際に企業は、当座預金を1,500円増加させる処理を行っていますので、両者の不一致をなくすために、銀行勘定調整表における銀行の残高に1,500円加算します。
よって、正解は、○ でした!

銀行勘定調整表の論点は、簿記2級の第1問から第3問まで全てにおいて頻出です。まずは、企業側の仕訳が必要なものと不要なものをしっかりと分類できるようにしましょう。また、銀行勘定調整表のどこに加算するのか又はどこから減算するのかも抑えておきましょう。