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資本的支出と収益的支出の違い~取得原価か修繕費か~

schedule2021-08-06

さて、本日は簿記検定頻出の「資本的支出」と「収益的支出」です。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

資本的支出、収益的支出とは

資本的支出」とは、固定資産の価値を増加させる支出のことです。
例えば、建物を耐震構造にしたり、壁を防音・防火にしたりといった場合の支出が該当します。
問題文では、「建物の耐用年数を延長させるための支出」といった書き方がされます。

一方で、「収益的支出」とは、当初予定された固定資産の機能を維持するための支出のことです。
例えば、建物の壁の補修や屋根の修繕などにかかる支出が該当します。
問題文では、「現状の維持や破損部分の回復のための支出」といった書き方がされます。

会計処理

資本的支出と収益的支出の定義が異なるということは、それぞれの会計処理も異なります。具体的には、「資本的支出」は、固定資産の取得原価に含めますが、「収益的支出」は、修繕費勘定を用いて費用処理します。

クイズ

問1

次の文章の正誤を判定しなさい。
「建物の耐震機能を向上させるための支出は修繕費として処理する。」

「建物の耐震機能を向上させるための支出」は建物の本来の機能を維持するための支出ではなく、建物の価値を増加させるための支出です。
よって、修繕費として処理するのではなく、「建物」勘定を用いて取得原価に含めます。
よって、正解は × でした!

投票結果は以下のようになっています。

@tweet[https://twitter.com/Debicre_boki/status/1423481611786407939]

問2

次の仕訳の正誤を判定しなさい。
「建物の改修工事を行い、100,000円を小切手を振り出して支払った。このうち60,000円は避難階段の設置のための支出であり、残りは破損部分の補修のための支出であった。」

借方科目
金額
貸方科目
金額
建物
60,000
当座預金
100,000
修繕費
40,000

避難階段の設置のための支出は、建物の価値を増加させるための支出であり、「資本的支出」に該当しますので、「建物」勘定を用いて資産計上します。
破損部分の補修のための支出は、建物の機能を維持するための支出であり、「収益的支出」に該当しますので、「修繕費」勘定を用いて費用計上します。
したがって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
建物
60,000
当座預金
100,000
修繕費
40,000

よって、正解は ○ でした!

投票結果は以下のようになっています。

@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1464409793016184835]

このように、デビクレ公式Twitterでは、定期的にクイズを出題していますので、Twitterでの投票とブログの2点セットで学習していただければと思います。