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建設仮勘定~2パターンの会計処理~

schedule2021-08-31

今回は、2級特有の固定資産の論点の中でも頻出である「建設仮勘定」についてまとめました。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

建設仮勘定って何?

建設仮勘定とは、建設中の固定資産への支出を仮に計上するときに使う資産の勘定科目です。工事代金を支払ったけどまだ完成してないため、一時的に資産として計上しておこうという考え方です。
貸借対照表では、有形固定資産の項目に表示されます。

会計処理

建設仮勘定の会計処理は、大きく分けて2ステップになります。

① 建設中の固定資産の代金を支払った時

完成前の固定資産に対する支払いは、建設仮勘定(資産)で処理します。

例題1

新谷株式会社は、建設業者に工事建設の手付金として100,000円を小切手を振り出して支払った。

手付金なので、建物がまだ完成していない状態で工事代金を支払っています。よって、建設仮勘定を計上します。小切手を振り出しているので、相手勘定科目は当座預金となります。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
建設仮勘定
100,000
当座預金
100,000

② 完成して引渡しを受けた時

完成して固定資産の引き渡しを受けた時、計上した建設仮勘定を減らし、請負金額分は建物などの固定資産の勘定科目を用いて処理します。

例題2

建物が完成し、引渡しを受けたので、残金の50,000円を小切手を振り出して支払った。

まず、例題1で計上した建設仮勘定を減らします。

借方科目
金額
貸方科目
金額
建設仮勘定
100,000

次に、50,000円を小切手を振り出して支払ったので、当座預金を減少させます。

借方科目
金額
貸方科目
金額
建設仮勘定
100,000
当座預金
50,000

この工事の請負金額は、手付金100,000円と残金の50,000円を足した150,000円です。これを建物として資産計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
建物
150,000
建設仮勘定
100,000
当座預金
50,000

クイズの解説

@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1432664180901830662]

完成前の工事の手付金は、前受金ではなく建設仮勘定で処理します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
建物
120,000
建設仮勘定
100,000
現金
20,000

したがって、正解は、× でした!

建設仮勘定は、第1問の仕訳問題や第3問の未処理事項によく出てきます。この2パターンしかありませんので、これを機にマスターしましょう。