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売上原価対立法~商品勘定と売上原価勘定~

schedule2021-09-20

今回は、簿記2級の論点である「売上原価対立法」についてまとめました。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

売上原価対立法とは?

売上原価対立法とは、商品を仕入れたときは商品勘定の借方に原価で記入し、商品を販売した時は売上を計上するとともにその商品の原価を商品勘定から売上原価勘定に振り替える方法のことです。
商品勘定は資産であり、売上原価勘定は費用です。

言葉だけだと難しく聞こえますが、例題をやれば会計処理が分かってきます。

会計処理

売上原価対立法の会計処理は、商品を仕入れたとき、商品を売り上げたとき、決算時の3パターンあります。例題とともに見ていきましょう。

商品を仕入れたとき

商品を仕入れたときは、仕入勘定は使わず、商品勘定(資産)を使います。

例題1

当社は、商品1,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

商品という資産が増加としたと考えるため、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
商品
1,000
買掛金
1,000

商品を売り上げたとき

商品を売り上げたときは、売価で売上を計上するとともに、商品の原価を商品から売上原価に振り替える処理をします。

例題2

商品(原価 1,500円、売価 2,000円)を売り上げ、代金は掛けとした。

まず、売価で売上を計上するので

借方科目
金額
貸方科目
金額
売掛金
2,000
売上
2,000

そして、原価を商品勘定から売上原価勘定へ振り替えます。
つまり、商品勘定を資産の減少として貸方に持っていき、借方には売上原価という費用を計上します。

借方科目
金額
貸方科目
金額
売上原価
1,500
商品
1,500

この2つを合わせて、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
売掛金
2,000
売上
2,000
売上原価
1,500
商品
1,500

決算時

三分法のときは、決算時に売上原価を算定するための仕訳「しーくりくりしー」をしていました。
しかし、売上原価対立法では、商品を販売した時にその原価を商品勘定から売上原価勘定に振り替えているので、決算時の仕訳は不要です。

例題3

決算日における期首商品棚卸高は3,000円、期末商品棚卸高は4,000円であった。

仕訳なし

クイズの解説

@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1439543634219585546]

商品を売り上げたとき、売上原価対立法を採用している場合、売価と原価両方の処理が必要になります。
売価は売上として認識し、原価は商品勘定から売上原価勘定に振り替えます。
よって、正解は、○ でした!

基本的に3級で学んだ三分法で仕訳しますが、第1問の仕訳問題で売上原価対立法が出題されることがあります。特に、商品を売り上げときの仕訳は出来るようにしておきましょう。