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手付金の会計処理~前払金と前受金~

schedule2021-09-16

今回は、簿記3級の商品売買において頻出の「手付金」についてまとめました。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

手付金とは?

商品の販売にあたり、相手の購入意思や代金の支払能力を確認したい場合があります。このとき、先に代金の一部又は全部をあらかじめ受け取った上で、後日商品を引き渡します。
このように、前もってやりとりする代金を手付金(内金)といいます。

会計処理

手付金の会計処理は、仕入側と売上側の2パターンあります。

手付金の支払い(仕入側)

仕入側は、手付金を支払った場合、後日商品を受け取る権利が得られます。
よって、「前払金」という資産の増加として処理します。

例題1

仕入先の久住商事に商品1,000円の注文を行い、手付金として現金1,000円を支払った。

手付金を支払っているので、「前払金」という資産の増加として処理します。
現金で支払っているので、貸方は資産の減少として「現金」となります。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
前払金
1,000
現金
1,000

手付金の受取り(前受金)

売上側は、手付金を受け取った場合、後日商品を引き渡す義務が生じます。
よって、「前受金」という負債の増加として処理します。

例題2

得意先の藤井商事から商品1,000円の注文を受け、手付金として現金1,000円を受け取った。

手付金を受け取っているので、「前受金」という負債の増加として処理します。
現金で受け取っているので、借方は資産の増加として「現金」となります。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
現金
1,000
前受金
1,000

クイズ

問1

次の文章の正誤を判定しなさい。

「当社は、A社から商品2,000円を仕入れ、以前支払った手付金500円を差し引いた額を現金で支払った。」 この仕訳は以下のようになる。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仕入
2,000
前払金
500
現金
1,500

手付金を支払ったときの仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
前払金
500
現金
500

残額を支払ったときは、この前払金を貸方に持ってくることで充当します。 よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仕入
2,000
前払金
500
現金
1,500

よって、正解は、○でした。

第1問の仕訳で頻出なので、手付金の問題は必ず正解できるようにしましょう。