直接経費と間接経費の分類~外注加工賃や特許権使用料はどっち?~
今回は、簿記2級の工業簿記で重要な「経費の分類」についてまとめました。 クイズの解説も合わせてご覧下さい。
経費とは?
経費とは、製造原価のうち、材料費と労務費以外のものです。
例えば、工場の減価償却費や水道光熱費などがあります。
材料費が「直接材料費」と「間接材料費」に分類されるように、経費も「直接経費」と「間接経費」に分類されます。
直接経費
直接経費とは、どの製品に使われたかが明確な経費のことです。
日商簿記2級において、直接経費に分類されるのは、外注加工賃と特許権使用料の2つのみです。
外注加工賃とは、部品の加工や製品の組立などを外部に委託した場合に支払う対価のことです。
特許権使用料とは、他社の特許を使用する場合に支払う対価のことです。
間接経費
間接経費とは、どの製品に使われたかが明確でない経費のことです。
間接経費に分類されるのは、直接経費以外の経費です。
例えば、減価償却費、保険料、水道光熱費、福利厚生費、棚卸減耗損などがあります。
これらの間接経費を丸暗記しなくても、直接経費である外注加工賃と特許権使用料以外が間接経費と認識していれば大丈夫です。
会計処理
経費についての会計処理は、経費を支払ったときと経費を消費したときの2パターンです。
例題とともに見ていきましょう。
経費を支払ったとき
経費を支払ったときは、支払額を経費勘定の借方に記入します。
今月分の経費500,000円を現金で支払った。
経費を支払っているので、借方は「経費」となります。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
経費 | 500,000 | 現金 | 500,000 |
経費を消費したとき
経費を消費したときは、経費勘定から仕掛品勘定又は製造間接費勘定に振り替えます。
具体的には、直接経費を消費した場合は仕掛品勘定へ振り替え、間接経費を消費した場合は製造間接費勘定に振り替えます。
例題1の経費のうち、200,000円が直接経費、残りが間接経費であった。
直接経費200,000円は仕掛品勘定へ振り替え、間接経費300,000円は製造間接費勘定へ振り替えます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕掛品 | 200,000 | 経費 | 500,000 |
製造間接費 | 300,000 |
クイズの解説
@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1452106939140239363]
直接経費に該当するのは、外注加工賃と特許権使用料の2つです。
水道光熱費は間接経費です。
また、法定福利費は「間接労務費」ですので注意が必要です。
よって、正解は、○ でした!
製造原価報告書の作成問題において必須の知識になりますので、必ず分類できるようにしておきましょう。