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法人税等の会計処理~中間納付から確定納付までの流れ~

schedule2021-10-19

今回は、簿記3級で頻出の法人税等の会計処理についてまとめました。 クイズの解説も合わせてご覧下さい。

法人税等とは?

法人税等とは、法人税、住民税、事業税のことです。
簿記3級では、これらの税金の内容を深く理解する必要はありませんので、会社が支払うべき税金という認識で問題ありません。
それよりも、この法人税等を納付するまでの流れが重要です。
具体的には、会社はまず期中に半年分の概算額を中間納付します。そして、決算において法人税等の金額を確定し、その後に確定納付するという流れになっています。

会計処理

法人税等の会計処理は、3パターンに分かれます。
例題とともに見ていきましょう。

中間納付したとき

期中に法人税等を中間納付したときは、仮払法人税等(資産)を計上します。

例題1

法人税等の中間納付として、5,000円を現金で支払った。

中間納付なので、資産である「仮払法人税等」を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仮払法人税等
5,000
現金
5,000

法人税等の金額が確定したとき

決算日になり、法人税等の金額が確定したときは、まず確定した金額を法人税等(費用)を計上し、中間納付分時に概算計上した仮払法人税等(資産)を減らす処理をします。
そして、確定した法人税等の金額が仮払法人税等の金額を上回る場合は、後で納付しなければならないということで、その差額を未払法人税等(負債)を計上します。

例題2

決算において、法人税等の金額が8,000円と計算された。なお、法人税等の中間納付が5,000円ある。

まず、確定した法人税等の金額である8,000円を「法人税等」で処理し、中間納付分の5,000円については、資産の減少として仮払法人税等を貸方に計上します。
両者の差額3,000円は、未払法人税等として処理します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
法人税等
8,000
仮払法人税等
5,000
未払法人税等
3,000

確定納付したとき

確定納付したときは、決算で計上した未払法人税等(負債)を減少させます。

例題3

法人税等の未払分3,000円を現金で支払った。

負債の減少として、未払法人税等3,000円を借方に計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
未払法人税等
3,000
現金
3,000

クイズの解説

@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1450270256228802560]

期中の中間納付なので、資産である「仮払法人税等」を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仮払法人税等
5,000
現金
5,000

第3問で必ずと言って良いほど出題されますので、仕訳ができるようにしておきましょう。