生産高比例法による減価償却費の計算
本日は、簿記2級の論点である「生産高比例法」についてまとめました。 クイズの解説も合わせてご覧下さい。
生産高比例法とは?
生産高比例法とは、固定資産の使用した分に比例して減価償却費を計算する方法です。
生産高比例法を適用できるのは、どれだけ使用したのかが明確にわかる固定資産のみです。
具体的には、車両や航空機などが挙げられます。
計算方法
減価償却の考え方そのものは定額法や定率法と同じですが、計算式が異なります。
先ほども言いましたが、生産高比例法では、使った分に比例して減価償却費を計算します。
よって、以下の式で求められます。
(取得原価-残存価額)×当期使用量/総使用量
つまり、全体でどれだけ使えるのか(総使用量)と当期にどれだけ使ったか(当期使用量)と残存価額が分かっていれば、減価償却費を計算することができます。
残存価額を引くのを忘れがちなので、注意してください。
それでは、以下の例題で確認してみましょう。
以下の仕訳をしましょう。
決算日につき、取得原価500,000円の車両を生産高比例法(耐用年数5年、残存価額は取得原価の10%、総走行距離100,000km、当期走行距離22,000km)によって減価償却を行う。ただし、記帳方法は間接法によること。
問題文から、取得原価、残存価額、総使用量、当期使用量の4つを読み取ります。
取得原価:500,000円
残存価額:500,000円×10%=50,000円
総使用量:100,000km
当期使用量:22,000km
あとは、先ほどの公式に当てはめれることで、減価償却費は以下のように計算できます。
(500,000円-50,000円)×22,000km/100,000km=99,000円
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 99,000 | 車両減価償却累計額 | 99,000 |
クイズ
次の文章の正誤を判定しましょう。
決算につき、期中に取得した車両について、生産高比例法による減価償却を行うときは、月割り計算を行う必要がある。
定額法や定率法では、取得日や売却日が期中の場合には、月割計算を行いましたが、生産高比例法では、月割計算は行いません。
というのも、生産高比例法は、期間ではなく生産高(利用高)を配分基準として償却を行う方法になるので、期中取得や期中売却の場合でも月割計算は行いません。
よって、正解は × でした!
第1問の仕訳問題で出る可能性がありますので、しっかりと計算できるようにしておきましょう。