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商品売買に伴う当社負担の諸経費~発送費か仕入か~

schedule2021-09-30

今回は、簿記3級の商品売買において重要な論点である「当社負担の諸経費」についてまとめました。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

諸掛りとは?

諸掛りとは、商品の売買に伴い発生する運送料などの諸経費のことです。
付随費用ともよばれ、運送料の他にも保険料や梱包代なども含まれます。
商品の仕入に伴って生じる諸掛りを「仕入諸掛り」、商品の売上に伴って生じる諸掛りを「売上諸掛り」といいます。

会計処理

会計処理は、仕入諸掛りと売上諸掛りで異なります。
例題とともに見ていきましょう。

仕入諸掛り

仕入諸掛り(付随費用)は、仕入勘定に含めて処理します。
これは、商品を購入するのにかかった総額を仕入勘定で把握するからです。
つまり、仕入勘定の金額は、購入代価に仕入諸掛り(付随費用)を加えたものであるといえます。
ここで、購入代価とは、商品本体の金額のことです。

例題1

商品5,000円を仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取費用500円を現金で支払った。

仕入諸掛り500円は、仕入勘定に含めて処理します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仕入
5,500
買掛金
5,000
現金
500

売上諸掛り

売上諸掛りは、発送費勘定で処理します。
仕入諸掛りとは異なり、支払った内容がわかる勘定科目で費用処理します。

例題2

商品5,000円を販売し、代金は掛けとした。なお、発送費500円を現金で支払った。

売上諸掛り500円は、発送費勘定を使って費用処理します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
売掛金
5,000
売上
5,000
発送費
500
現金
500

クイズの解説

@tweet[https://twitter.com/debicre_boki/status/1443184989470806020]

当社負担の仕入諸掛りは、発送費勘定で処理せず、仕入勘定に含めて処理します。
したがって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仕入
1,200
買掛金
1,000
現金
200

よって、正解は × でした!

今回は当社負担が前提であり、先方負担のパターンもあります。そちらはまた別の記事でまとめますので、まずは当社負担の場合をしっかりと抑えましょう。