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仮払金の会計処理~金額や内容が未確定な支出~

schedule2021-11-15

今回は、簿記3級の論点である「仮払金」についてまとめました。クイズの解説も合わせてご覧下さい。

取引の概要

会社は、金額や内容が未確定な段階でも、概算額を見積もって先にお金を支払うことがあります。
例えば、「旅費交通費」の金額は、出張が終わるまでは確定しませんが、出張前に概算額を従業員に渡しておくことがあります。
当然、概算額を渡しているため、実際の金額とは異なることがほとんどです。

会計処理

仮払金の会計処理は、仮払時と金額確定時の2パターンとなります。 それぞれ例題とともに見ていきましょう。

仮払時

金額や内容が未確定の支出をした場合、「仮払金」という資産の増加として処理します。

例題1

従業員が出張するため、出張費用の概算額10,000円を現金で手渡した。

出張前に旅費交通費の概算額を手渡しており、この時点では金額が未確定であるので、「仮払金」(資産)として処理します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仮払金
10,000
現金
10,000

金額確定時

未確定だった金額や内容が確定したら、「仮払金」(資産)から確定した勘定科目に振り替えます。
つまり、借方に確定した勘定科目を計上し、貸方は「仮払金」という資産の減少として処理します。

例題2

帰社した従業員から、実際の旅費交通費は15,000円であったと報告を受けたため、不足分5,000円を現金で手渡した。

実際に旅費交通費が15,000円と確定したので、「仮払金」から「旅費交通費」に振り替えます。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
旅費交通費
15,000
仮払金
10,000
現金
5,000

クイズ

問1

次の文の正誤を判定しなさい。

出張に行く従業員に対して、前もって概算額を手渡した場合、借方にくる勘定科目は「旅費交通費」である。

あくまでも概算額なので、旅費交通費を計上できるのは金額が確定してからです。金額が未確定の支出をした場合は、「仮払金」を資産として計上します。
よって、正解は × でした!

原因不明の入金である「仮受金」とセットで学習すると効率的です。