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割戻しと割引きの違い~2パターンの会計処理~

schedule2021-08-25share

今回は、2級の中でも特に紛らわしい論点である「割戻し」と「割引き」の違いについてまとめました。クイズの解説も記載しておりますので、合わせてご覧下さい。

割戻しって?

割戻し」とは、リベートとも呼ばれ、所定の金額や数量以上を購入した場合に購入代金の一部を減額することです。 簡単に言えば大口顧客に対するサービス的な意味合いで行われます。

割戻しの会計処理

割戻しを受けた側と割戻しをした側で会計処理が異なります。
割戻しを受けた側は、仕入れたときの逆仕訳をしますが、割戻しをした側は、売り上げたときの逆仕訳をします。 具体的な処理は、例題とともに見ていきましょう。

例題1

当社は得意先であるA社から掛けで仕入れた商品100,000円について、5%の割戻しを受けた。

まず、割戻しの金額は
100,000×0.05=5,000円

当社は、割戻しを受けた側なので、仕入れた時の逆仕訳をします。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
買掛金
5,000
仕入
5,000

一方、A社は割戻しをした側なので、売り上げた時の逆仕訳をします。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
売上
5,000
売掛金
5,000

割引きって?

割引き」とは、掛け代金を早期に決済することにより代金を減額することをいいます。
掛けで取引をした場合、現金取引の場合と比べて代金の決済日が遅れます。つまり、その分の利息に相当する額が代金に含まれていると捉えることができます。予定より早く決済されれば、その利息相当額が免除されるといった考えで割引きがされるのです。

割引きの会計処理

割引きを受けた側と割引きをした側で会計処理が異なります。
割引きを受けた側は、仕入割引(営業外収益)を、割引をした側は、売上割引(営業外費用)を計上します。
これらが営業外収益・営業外費用になるのは、利息に相当する額であるためです。

例題2

当社は、得意先であるA社に対する買掛金100,000円に対して、早期に決済したことにより3%の割引きを受け、残額を小切手を振り出して支払った。

まず、割引きの額は、
100,000×0.03=3,000円

当社は割引きを受けた側なので、「仕入割引」という収益を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
買掛金
100,000
仕入割引
3,000
当座預金
7,000

一方、A社は割引きをする側なので、「売上割引」という費用を計上します。 よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
売上割引
3,000
売掛金
100,000
当座預金
7,000

クイズ

問1

次の文章の正誤を判定しなさい。
「仕入割引とは、早期決済の条件を満たし、代金の一部支払いを免除されたときに計上される営業外収益である。」

仕入割引とは、買掛金の早期決済によって支払額を一部免除してもらった際に計上されるものです。利息相当額の免除という意味合いから、損益計算書上は営業外収益に区分されます。
よって、正解は、○ でした!

投票結果は以下のようになりました。
割戻しと割引きの論点は、第1問の仕訳で頻出なので、意味の違いと会計処理の違いの両方を抑えておきましょう。 https://twitter.com/debicre_boki/status/1430157470056411145

問2

次の仕訳の正誤を判定しなさい。
「買掛金10,000円を期日より前に支払い、割引料500円を差し引いた残額を小切手で支払った。」

借方科目
金額
貸方科目
金額
買掛金
10,000
当座預金
9,500
仕入割引
500

問題文に「期日より前に支払い」と書いてあるので、早期決済による利息相当額を意味する「割引き」を意味します。
したがって、買掛金10,000円のうち免除分である500円は「仕入割引」勘定を用いて収益の発生として処理します。
残りの9,500円は小切手を振り出して支払っているので、「当座預金」勘定を用いて資産の減少として処理します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
買掛金
10,000
当座預金
9,500
仕入割引
500

よって、正解は ○でした。

投票結果は以下のようになりました。 https://twitter.com/Debicre_boki/status/1474168563972067329