Lesson2 小切手
小切手とは
会社どうしの取引では、何十万円から何千万円といった大きな金額の取引になることが多々あります。このように、大きな金額を支払う場合には、現金を用いるのは非現実的です。 そこで使われるのが小切手です。
中央の金額欄に支払金額を記入することで、大きな金額でも証券1枚で取引することが可能となります。 前回のLessonでも触れたように、会社は当座預金口座を開設すると小切手による決済ができるようになります。
それでは小切手の決済の流れを見ていきましょう。例えばA社がB社に代金を支払うシチュエーションです。
A社は、代金を現金で支払う代わりに、受取人であるB社に対し、小切手を作成して渡します。これを「小切手の振出し」といい、振り出した会社のことを「振出人」といいます。
小切手の受取人は受け取った小切手を銀行に提示することで、すぐに現金に換えてもらうことができます。
このように、小切手を使った決済では、振出人の当座預金から代金が差し引かれ、受取人はその分を現金で受け取るというのが重要なポイントです。
会計処理
会計処理は、小切手を支払った場合と小切手を受け取った場合の2パターンです。それぞれ例題とともに見ていきましょう。
小切手を振り出した場合
小切手を振り出した場合は、先ほどのA社に該当し、代金は当座預金から支払われます。
よって、「当座預金」勘定を用いて資産の減少として処理します。
デビクレ株式会社は、商品100,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。
商品を仕入れているため、費用の増加として「仕入」勘定は借方に来ます。
小切手の振り出しにより当座預金が減少するため、資産の減少として「当座預金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 100,000 | 当座預金 | 100,000 |
小切手を受け取った場合
小切手を受け取った場合、先ほどのB社に該当し、小切手を換金することで手元の現金が増加します。
よって、「現金」勘定を用いて資産の増加として処理します。
デビクレ株式会社は、得意先に商品を100,000円を売り上げ、代金は得意先振り出しの小切手で受け取った。
商品を売り上げているため、収益の増加として「売上」勘定は貸方に来ます。
また、小切手の受取りにより現金が増加するため、資産の増加として「現金」勘定は借方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 100,000 | 売上 | 100,000 |