Lesson4 現金過不足
現金過不足とは
仕訳のミスや記帳漏れなどによって、現金の帳簿残高と実際有高が一致しない場合があります。
「現金過不足」とは、現金の帳簿残高と実際残高が一致しない場合の両者の差額のことです。
会計処理
それでは、現金過不足の会計処理(2パターン)を例題とともに見てみましょう。本当はもう1パターンありますが、決算整理仕訳に該当するため、Chapter8で扱います。
現金過不足が判明したとき
現金過不足が生じた場合、必ず帳簿上の金額を実際の金額に調整します。
つまり、実際有高>帳簿残高の場合は、「現金」勘定を使って資産の増加とし、実際有高<帳簿残高の場合は、「現金」勘定を使って資産の減少とします。そして、その相手勘定科目を「現金過不足」勘定とします。
この「現金過不足」勘定はズレの原因が判明するまで一時的に計上しておく勘定(仮勘定)ですので、簿記の5要素のどれにも該当しません。よって、仕訳をするときは、「現金」勘定の相手勘定として計上するというのがポイントです。
金庫の現金を調査したところ、実際有高が100,000円であるのに対し、帳簿残高は101,000円であった。
先ほども言いましたが、必ず帳簿上の金額を実際の金額に調整します。今回、実際有高<帳簿残高であるため、帳簿残高を減らして実際有高の金額に合わせます。
したがって、「現金」勘定は資産の減少として貸方となり、相手勘定科目は「現金過不足」となります。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
現金過不足 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
また、今回の例1で実際有高が101,000円、帳簿残高が100,000円だった場合の仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 1,000 | 現金過不足 | 1,000 |
過不足の原因が判明したとき
現金過不足の原因が判明したら、仮勘定である「現金過不足」勘定をゼロにし、確定した科目に振り替えます。
例題1の現金過不足1,000円(借方残高)の原因を調査したところ、全て水道光熱費の記帳漏れであることが判明した。
借方残高である「現金過不足」勘定を貸方に持っていくことでゼロにします。
また、水道光熱費の記帳漏れであることが分かったので、費用の増加として「水道光熱費」勘定は借方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
水道光熱費 | 1,000 | 現金過不足 | 1,000 |