Lesson5 当座借越
当座借越とは
当座借越とは、マイナスの当座預金のことをいいます。
日々の取引において、出金が連続した場合、当座預金口座の残高がなくなってしまい、次の決済ができなくなる可能性があります。そこで、会社は銀行と当座借越契約を結ぶことがあります。
こうすることで、銀行が不足分を代わりに立て替えてくれるので、代金の決済ができるようになります。
会計処理
以下の2パターンの処理について例題とともに見ていきましょう。本当はもう1パターンありますが、それは決算整理仕訳なのでChapter9で扱います。
当座預金残高を超えた引き出しを行った場合
当座預金残高を超える金額を引き出した場合は、当座預金の減少として処理します。
例題1
デビクレ株式会社は、商品200,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。なお、当座預金の残高は150,000円であり、取引銀行と限度額300,000円の当座借越契約を結んでいる。
残高は150,000円しかありませんが、銀行と限度額300,000円の当座借越契約を結んでいるので、200,000円を引き出すことができます。
つまり、「商品200,000円を仕入れ、小切手を振り出して支払った」という取引と同じです。
したがって、費用の発生として「仕入」勘定は借方となり、資産の減少として「当座預金」勘定は貸方となります。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 200,000 | 当座預金 | 200,000 |
当座借越を解消した場合
当座借越を解消した場合は、当座預金の増加として処理します。
例題2
デビクレ株式会社は、当座借越100,000円を解消するために、現金150,000円を当座預金に預け入れた。
「現金150,000円を当座預金に預け入れた」という取引と同じです。
資産の増加として「当座預金」勘定は借方となり、資産の減少として「現金」勘定は貸方となります。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 150,000 | 現金 | 150,000 |