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Lesson6 小口現金

小口現金制度とは

会社では旅費交通費や消耗品費など少額の支出取引が日々多く発生します。 経理部からすると、取引の都度、精算して仕訳をするのは流石に骨が折れます。そこで、この手間を省くために「小口現金制度」を採用することがあります。 小口現金制度を採用した場合の1週間の流れは、以下のようになります。

小口現金の図

① あらかじめ小口現金係に小口現金を前渡しします。

② 小口現金係は先ほど貰った小口現金を文房具代や電車代などの日々の支払いに使います。この1週間分の支払いについて会計係に報告をします。

③ 週終わりになったら、支払額と同額の小口現金を小口現金係に渡して補充します。

こうすることで、週初めには必ず一定額が担当者の手元にあることになります。この仕組みを「定額資金前渡制度」といいます。

会計処理

小口現金制度の会計処理は以下の3パターンです。例題とともに見ていきましょう。

小口現金制度を採用した場合

担当者に渡した現金を小口現金というため、「小口現金」勘定を用いて資産の増加として処理します。 うっかり「現金」勘定で処理しないように気をつけましょう。

例題1

デビクレ株式会社は、定額資金前渡制度による小口現金制度を採用するため、経理係は小口現金係に小切手10,000円を振り出して、小口現金を渡した。

小切手を振り出して、小口現金を前渡ししています。したがって、資産の増加として「小口現金」勘定は借方に、資産の減少として「当座預金」は貸方となります。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
小口現金
10,000
当座預金
10,000

支払の報告を受けた場合

支払の報告を受けたときには、「小口現金」勘定を用いて資産の減少として処理し、適切な勘定科目に振り替えます。

例題2

小口現金係から旅費交通費5,000円の支払いを行ったと報告があった。

旅費交通費の支払いの報告を受けたので、「小口現金」から「旅費交通費」へ振り替えます。

したがって、費用の発生として「旅費交通費」勘定は借方に、資産の減少として「小口現金」勘定は貸方となります。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
旅費交通費
5,000
小口現金
5,000

小口現金の補給を行った場合

小口現金を補給した場合は、「小口現金」勘定を用いて資産の増加として処理します。

例題3

上記の報告を受けたので、支払額5,000円と同額の小切手を振り出して補給した。

小切手を振り出して、支払額と同額を補給しています。 したがって、資産の増加として「小口現金」勘定は借方に、資産の減少として「当座預金」は貸方となります。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
小口現金
5,000
当座預金
5,000
演習問題を解く