Lesson1 掛け取引
掛け取引とは
商品売買取引を迅速に行うため、先に商品の受け渡しを行い、代金の決済を後日行うことがあります。
このように、代金を後払いで行う取引のことを「掛け取引」といいます。
売上側の会計処理
売上側について、掛けで売り上げたときと、掛け代金を回収したときの2パターンの会計処理を例題とともに見ていきましょう。
掛け売上時
商品を掛けで売った場合、「掛け代金を回収する権利」が生じます。
よって、「売掛金」勘定を用いて資産の増加として処理します。
デビクレ株式会社は、得意先A社に対して商品100,000円を掛けで販売した。
商品の売上代金を回収する権利が増加するため、資産の増加として「売掛金」勘定は借方に来ます。
掛けであっても、商品を売り上げたことには変わりがないため、貸方は収益の発生として「売上」勘定とします。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 100,000 | 売上 | 100,000 |
掛け代金の回収時
掛け代金を回収した場合、「掛け代金を回収する権利」がなくなります。
よって、「売掛金」勘定を用いて資産の減少として処理します。
後日、上記掛け代金100,000円を現金で受け取った。
商品の売上代金を回収する権利が減少するため、資産の減少として「売掛金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 100,000 | 売掛金 | 100,000 |
仕入側の会計処理
今度は仕入側について、掛けで仕入れたときと、掛け代金を支払ったときの2パターンの会計処理を例題とともに見ていきましょう。
掛け仕入時
掛け仕入を行った側では、「掛け代金の支払義務」が生じます。
よって、「買掛金」勘定を用いて負債の増加として処理します。
デビクレ株式会社は、仕入先B社から商品200,000円を仕入れ、代金は掛けとした。
掛けであっても、商品を仕入れたことには変わりがないため、費用の発生として、「仕入」勘定が借方に来ます。
商品の仕入代金を支払う義務が増加するため、負債の増加として「買掛金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 200,000 | 買掛金 | 200,000 |
掛け代金の支払時
掛け代金を支払った場合、「掛け代金の支払義務」がなくなります。
よって、「買掛金」勘定を用いて負債の減少として処理します。
後日、上記掛け代金200,000円を現金で支払った。
商品の仕入代金を支払う義務が減少するため、負債の減少として「買掛金」勘定は借方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 200,000 | 現金 | 200,000 |