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Lesson6 手形

約束手形とは

約束手形とは、手形の振出人(支払人)が、代金の受取人に対して、所定の期日(満期日)に決められた金額の支払いを約束する証書のことです。

約束手形を用いることで、一般的に売掛金や買掛金よりも支払期日を先延ばしにできます。そうすることで、手元現金が少ない場合でも、支払期日まで余裕を持ってお金の準備ができます。

約束手形の振出側(仕入側)の会計処理

仕入側の会計処理は、約束手形の振出時と手形代金の支払時の2パターンです。それぞれ例題とともに見ていきましょう。

約束手形の振出時(仕入時)

振出人が約束手形を振り出した場合、後で手形代金を受取人に対して支払う義務が生じます。

よって、「支払手形」勘定を用いて負債の増加として処理します。

例題1

デビクレ株式会社は、B社から商品100,000円を仕入れ、代金はB社受け取り、当社振り出しの 約束手形で支払った。

手形代金の支払義務が生じるため、負債の増加として「支払手形」勘定は貸方に来ます。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
仕入
100,000
支払手形
100,000

手形代金の支払時

約束手形の満期日となり手形代金を支払った場合、振出人は手形代金の支払義務がなくなります。

よって、「支払手形」勘定を用いて負債の減少として処理します。

例題2

例題1の約束手形が満期となり、当社の当座預金口座から支払った。

手形代金の支払義務が減少するため、負債の減少として「支払手形」勘定は借方に来ます。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
支払手形
100,000
当座預金
100,000

約束手形の受取側(売上側)の会計処理

売上側の会計処理は、約束手形の受取時と手形代金の受取時の2パターンです。それぞれ例題とともに見ていきましょう。

約束手形の受取時

受取人が約束手形を受け取った場合、後で振出人から手形代金を受け取る権利が生じます。

よって、「受取手形」勘定を用いて資産の増加として処理します。

例題3

デビクレ株式会社は、A社に商品100,000円を売上げ、代金は当社受け取り、A社振り出しの約束手形を受け取った。

手形代金を受け取る権利が生じるため、資産の増加として「受取手形」勘定は借方に来ます。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
受取手形
100,000
売上
100,000

手形代金の受取時

約束手形の満期日となり手形代金を受け取った場合、受取人は手形代金を受け取る権利がなくなります。

よって、「受取手形」勘定を用いて資産の減少として処理します。

例題4

例題3の約束手形が満期となり、手形代金が当社の当座預金口座に振り込まれた。

手形代金を受け取る権利が減少するため、資産の減少として「受取手形」勘定は貸方に来ます。

よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
当座預金
100,000
受取手形
100,000
演習問題を解く