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Lesson3 固定資産の売却

取引の概要

会社は、購入した固定資産が不要になったら、売却をすることがあります。
なお、今回は「土地」の売却のみを扱い、土地以外の固定資産の売却は「減価償却」が絡んできますので、Chapter8で学習をします。
土地を売却すると、土地を相手に渡し、相手から対価を受け取ります。このとき、土地の取得原価よりも高く売却できるケースもあれば、低い金額での売却となるケースもあります。

会計処理

土地を売却すると土地という資産が減少するため、「土地」勘定を取得原価で減少させます。
また、受け取った対価の分だけ資産が増加するため、「現金」勘定などの資産の増加として処理します。
さて、ここで減少した「土地」勘定の金額と、増加した「現金」 勘定などの差額の処理方法は次の2パターンです。例題とともに見ていきましょう。

取得原価よりも高い金額で売却した場合

土地の取得原価よりも売却金額の方が高い場合は、「固定資産売却益」勘定を用いて収益の発生として処理します。

例題1

デビクレ株式会社は、土地(取得原価10,000円)を13,000円で売却し、現金を受け取った。

取得原価10,000円<売却金額13,000円なので、3,000円の「固定資産売却益」(収益)を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
現金
13,000
土地
10,000
固定資産売却益
3,000

取得原価よりも低い金額で売却した場合

土地の取得原価よりも売却金額の方が低い場合、「固定資産売却損」勘定を用いて費用の発生として処理します。

例題2

デビクレ株式会社は、土地(取得原価10,000円)を7,000円で売却し、現金を受け取った。

取得原価10,000円>売却金額7,000円なので、3,000円の「固定資産売却損」(費用)を計上します。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
現金
7,000
土地
10,000
固定資産売却損
3,000

固定資産の後払い(売却側)

「固定資産の取得」のLessonでは、固定資産の後払いを取得側から見ましたが、今回は売却側から見た取引について扱います。
こちらも商品売買の後払いの処理とは異なりますので、注意が必要です。

会計処理

固定資産の後払い(売却側)の会計処理は、「固定資産の売却時」と「代金の決済時」の2パターンです。それぞれ例題とともに見ていきましょう。

固定資産の売却時

固定資産を後払いで売却した場合、後で代金を受け取る権利が生じるため、「未収入金」勘定を用いて資産の増加として処理します。
商品売買の後払いの時のように「売掛金」勘定を用いないのは、会社の本業である商品売買取引とそれ以外の取引を区別して記帳するためです。

例題3

デビクレ株式会社は、土地10,000円を13,000円で売却し、代金は後払いとした。

後払いによる固定資産の売却なので、売却代金13,000円については「未収入金」勘定を用いて資産の増加とします。
取得原価10,000円よりも売却代金13,000円の方が多いので、差額の3,000円については「固定資産売却益」勘定を用いて収益の発生とします。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
未収入金
13,000
土地
10,000
固定資産売却益
3,000

代金の決済時

代金を決済したときは、代金を回収する権利がなくなるため、「未収入金」勘定を用いて資産の減少として処理します。

例題4

デビクレ株式会社は、後日、例題3の代金13,000円を現金で受け取った。

決済により代金を回収する権利がなくなるので、資産の減少として「未収入金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。

借方科目
金額
貸方科目
金額
現金
13,000
未収入金
13,000
演習問題を解く