Lesson2 社会保険料
社会保険料とは?
社会保険料とは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などのことで、所得税と同様に給料から引かれています。
また、社会保険料は後日、年金事務所などに納付するのですが、納付する際には、従業員負担額だけでなく同額の会社負担額もあわせて納付します。 これがいわゆる「労使折半」です。
会計処理
会計処理は、「給料の支払時」と「社会保険料の納付時」の2パターンに分かれます。それぞれ例題とともに見ていきましょう。
給料の支払時
会社が従業員に給料を支払う際に源泉徴収される社会保険料については、「預り金」勘定を用いて負債の増加として処理します。源泉所得税の場合と同じです。
ただし、「預り金」勘定の代わりに、「社会保険料預り金」勘定を使う場合もあります。
デビクレ株式会社は、従業員への給料の支払いにあたり、給料総額200,000円から従業員が負担すべき社会保険料(健康保険料10,000円および厚生年金保険料15,000円)を差し引いた残額を、普通預金口座から振り込んだ。
給料総額は200,000円であり、費用の発生として「給料」勘定は借方に来ます。
源泉徴収される社会保険料は25,000円であり、負債の増加として「預り金」勘定は貸方に来ます。
残額である175,000円が普通預金から支払われるので、資産の減少として「普通預金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
給料 | 200,000 | 預り金 | 25,000 |
普通預金 | 175,000 |
なお、「預り金」を「社会保険料預り金」としても正解となります。 本番では使用科目の指示があるので、それに従いましょう。
社会保険料の納付
社会保険料を納付する際は、従業員負担分と同額の会社負担分を合わせて納付します。
従業員負担分については、「預り金」勘定を用いて負債の減少として処理します。
そして、同額の会社負担分は、「法定福利費」勘定を用いて費用の発生として処理します。
給料から差し引いた社会保険料の従業員負担額(健康保険料10,000円および厚生年金保険料15,000円)と同額の会社負担額を合わせて現金で納付した。
従業員負担分は25,000円であり、負債の減少として「預り金」勘定は借方に来ます。
同額の会社負担分は25,000円であり、費用の発生として「法定福利費」勘定は借方に来ます。
これらを合わせた50,000円を現金で支払っているので、資産の減少として「現金」勘定は貸方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
法定福利費 | 25,000 | 現金 | 50,000 |
預り金 | 25,000 |
こちらも先ほどと同様、「預り金」を「社会保険料預り金」としても正解となります。本番では使用科目の指示があるので、それに従いましょう。