Lesson5 証ひょう
証ひょうとは
通常、取引を行った際に、取引相手と証ひょうをやりとりします。
証ひょうとは、 取引の内容が記載された用紙のことをいい、身近な例で言えば、レシートも証ひょうの1つといえます。 レシートには、いつ、どこで、何を、いくらで購入したかと いう、取引内容が書いてありますよね。 経理部は、証ひょうをもとに仕訳を行います。
日商簿記検定3級の第1問では、必ず証ひょうをもとに仕訳を行う問題が出題されますので、詳しく見ていきましょう。
証ひょうの種類
証ひょうには数多くの種類があり、その様式も一定ではありません。 つまり、暗記一辺倒ではなく、問題で与えられた証ひょうをしっかり読み、どのような取引なのかを考えることが大事です。
今回は試験で出題されやすい「納品書」、「請求書」、「領収書」について例題とともに見ていきましょう。
納品書
納品書とは、商品などを納品した際に発行され、納品した商品などの明細が記載された書類のことです。
納品書を同封することで、購入者は何が送られてきたのかを確認することができ、購入者を安心させることができます。納品書には、納品日、商品の名称、数量、金額などを記載します。
デビクレ株式会社は、仕入先A社から商品を掛けで仕入れた際に、下記の納品書を受け取った。
まず、問題文より、掛けによる仕入取引であることが分かります。
次に納品書を見ると、小計100,000円が仕入れた商品の税抜金額、消費税10,000円が消費税額、合計110,000円が仕入れた商品の税込金額であることが分かります。
以上のことから、「デビクレ株式会社は商品100,000円を仕入れ、消費税10,000円を含めた代金110,000円は掛けとした」という取引の仕訳をするのと同じです。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 100,000 | 買掛金 | 110,000 |
仮払消費税 | 10,000 |
請求書
請求書とは、代金を請求する際に発行され、商品などの請求金額の明細が記載された書類のことです。
ガス代や水道光熱費の請求書は、特に見覚えがあると思います。 請求書には、請求書発行日付、請求金額、入金期日、振込先などを記載します。
デビクレ株式会社は得意先B社に対し、商品および納品書兼請求書を送付した。下記はその控えである。
まず、請求書の部分を見ると、 期日までに口座に振り込むように書いてあるので、掛け取引であることが分かります。
次に納品書の部分を見ると、 小計100,000円が販売金額、手付金20,000円が手付金の金額、80,000円が掛け代金となります。
以上のことから、「デビクレ株式会社は商品100,000円を販売し、手付金20,000円を差し引いた80,000円は掛けとした」という取引の仕訳をするのと同じです。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 80,000 | 売上 | 100,000 |
前受金 | 20,000 |
領収書
領収書とは、代金を支払った際に発行され、支払金額とその内容などが簡潔に記載された書類のことです。
レシートとほぼ同じで、代金がしっかりと支払われたことを証明するためのものです。
デビクレ株式会社の営業担当の職員より下記の領収書の提出を受け、領収書記載の金額を現金にて支払った。
問題文及び領収書から、「デビクレ株式会社は、収入印紙5,000円を現金で購入した」という取引の仕訳をするのと同じです。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 5,000 | 現金 | 5,000 |