Lesson1 決算の概要
決算とは
Chapter1の「簿記一巡の流れ」のLessonでも軽く触れましたが、会社は会計期間の終わり(期末日)に、決算という手続きを行います。
決算では主に以下の5つのことを実施します。
[決算の流れの図]
決算整理前残高試算表の作成
決算日になったらまず、期中手続きの勘定記入の正確性を検証するために残高試算表を作成します。この残高試算表は、決算整理を行う前に作るので決算整理前残高試算表といいます。なお、略称として前T/Bという表現を使うことがあります。T/BはTrial Balance(試算表)のことです。
決算整理
決算整理前残高試算表で期中手続きに誤りがないことを確認したら、続いて、決算整理を行います。
残高試算表の金額は、基本的にそのまま財務諸表の計上額になるのですが、いくつかの勘定科目は、前T/Bの金額が財務諸表計上額になっていません。
そこで、そのような勘定の残高金額を修正するために行う手続きが決算整理です。
簿記3級で登場する決算整理は、大きく分けて以下の8個になります。
[決算整理事項の図]
このうち消費税と法人税等の決算整理仕訳については過去のLessonで学習済みですので、残りの7個について次のLessonから扱います
決算整理後残高試算表の作成
決算整理を行うと各勘定の残高が修正されますが、この決算整理でミスが発生する可能性もあります。そのため、ミスの有無を確認するために再び残高試算表を作成します。
この残高試算表は、決算整理を行った後に作るので決算整理後残高試算表といいます。
なお、略称として後T/Bという表現を使うことがあります。
帳簿の締め切り
決算整理後残高試算表で決算整理手続きに誤りがないことを確認したら、帳簿の締め切りを行います。
帳簿の締め切りでは、当期の勘定記入と翌期の勘定記入の区切りをつけることで、翌期の勘定記入をできるようにします。
この帳簿の締め切りについてはこのchapter9の最後に扱います。
財務諸表の作成
最後に、財務諸表(貸借貸借表と損益計算書)を作成し、外部(株主)に報告します。
財務諸表は、基本的には後T/Bをもとに作成します。
これで決算手続きは完了し、当期の手続きが全て完了したことになります。