Lesson3 当座借越の整理
当座借越の整理の概要
Chapter4の「当座借越」にて扱いましたが、当座借越契約を結んでいる場合において、当座預金残高を超えた引き出しを行うと 、「当座預金」勘定(資産)は貸方残高(マイナス残高)となります。
しかし、この状態で決算日となった場合、貸借対照表に当座預金をマイナスとして計上することはできません。
よって、決算整理仕訳が必要となります。
会計処理
当座借越の整理の会計処理は、「決算整理仕訳」と「再振替仕訳」の2パターンです。例題とともに順番に見ていきましょう。
決算整理仕訳
決算日において、「当座預金」勘定が貸方残高になっている場合、これを「当座借越」勘定(負債)に振り替える処理を行います。
例題1
デビクレ株式会社は、決算日において、当座預金が100,000円の貸方残高であるため、当座借越に振り替える。
貸方残高である「当座預金」勘定は借方とまり、新たに負債の増加として「当座借越」勘定は貸方となります。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 100,000 | 当座借越 | 100,000 |
再振替仕訳
翌期首になったら、決算日の仕訳の逆仕訳を行います。これを再振替仕訳といいます。
例題2
前期の決算日において行った当座借越100,000円の処理について再振替仕訳を行う。
前期決算日において、以下の処理が行われています。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
当座預金 | 100,000 | 当座借越 | 100,000 |
これの逆仕訳が再振替仕訳なので、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
当座借越 | 100,000 | 当座預金 | 100,000 |