Lesson5 貯蔵品の整理
貯蔵品の整理の概要
期中に購入した切手やはがきは、購入時に「通信費」勘定を用いて費用として計上してます。
しかし、これらの切手やはがきが、期末日において未使用であった場合、このまま何もしないという訳にはいきません。
ここで、損益計算書は、一定期間(1年間)の経営成績を表す財務諸表でした。
つまり、損益計算書に計上する費用の金額は、当期に使用した分のみになります。
したがって、未使用のものがある場合には、当期の費用としてはいけないので、決算整理仕訳が必要になるのです。
会計処理
貯蔵品の整理の会計処理は、「決算整理仕訳」と「再振替仕訳」の2パターンです。それぞれ例題とともに見ていきましょう。
決算整理仕訳
決算日に未使用のものがある場合、当期に使用した分のみを当期の費用とするために、未使用分の費用を「貯蔵品」勘定(資産)に振り替える処理を行います。
デビクレ株式会社は、期末において、期中に現金で購入した5,000円の切手のうち、未使用のものが3,000円分残っていることが判明した。
まず、購入時には以下の仕訳をしています。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
このうち3,000円は未使用であるため、当期分の費用として計上することはできません。
したがって、その分を「貯蔵品」という資産の勘定科目に振り替える処理をします。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貯蔵品 | 3,000 | 通信費 | 3,000 |
再振替仕訳
翌期首になった場合、前期末に行った決算整理仕訳の逆仕訳をします。このことを再振替仕訳といいます。
考え方としては、当期末に使わずに残った切手やはがきなどは、翌期に使用するものと考え、もう一度費用の金額をリセットとするイメージです。
前期末に例題1の処理を適切に行った。当期首になったので、前期末において計上した貯蔵品を費用に振り替える。
前期末に以下の決算整理仕訳を行いました。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貯蔵品 | 3,000 | 通信費 | 3,000 |
当期首では、前期末に行った決算整理仕訳の逆仕訳を行います。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 3,000 | 貯蔵品 | 3,000 |