Lesson 4
部門別の実際配賦と予定配賦
このレッスンで学ぶこと
補助部門費を製造部門へ配った後は、各製造部門の原価を製品へ配ります。加工部門と組立部門など、仕事の違いに合わせた基準と率で計算します。

各製造部門の原価を、その部門に合う基準で製品へ配ります。
補助部門から製造部門への予定配賦
部門別計算には、補助部門費を製造部門へ配る段階と、製造部門費を製品へ配る段階があります。補助部門費を実際額で配る場合は、実際費用と実際の用役数量を使います。予定配賦する場合は、補助部門の予算と予定用役数量から率を決め、実際に提供した用役数量を掛けます。
例えば、他の補助部門への用役がない修繕部門について、年間予算60,000円、年間予定修繕時間300時間なら予定配賦率は200円/時間です。当月の実際修繕時間が製造A向け10時間、B向け20時間なら、Aへ2,000円、Bへ4,000円を配ります。当月実際費用が6,600円なら、予定配賦合計6,000円との差600円が修繕部門の不利差異です。
補助部門の差異と、製造部門から製品へ配る際の差異を混同しません。どの部門からどこへ移す原価なのかを確かめます。
製造部門ごとに配賦する
各製造部門には、もともと発生した費用と、補助部門から配られた費用が集まっています。その合計を、各製品がその部門を利用した時間などに応じて配賦します。
製造指図書は、どの製品を何個作るかなどを指示する資料です。製品ごとの仕事を区別するため、指図書番号を使って原価を集めることがあります。
例えば加工部門は機械運転時間、組立部門は直接作業時間が配賦基準なら、部門ごとに率を計算します。機械時間と直接作業時間を一つに合計して、工場共通の率にするわけではありません。
部門別の実際配賦率
部門の実際配賦率=補助部門費配賦後の当月実際部門費÷当該部門の当月実際配賦基準数値
ある製品への配賦額は、その製品が各部門で使った基準数値に各部門の率を掛け、合計します。率と時間は、同じ部門の組合せにします。
例題:二部門を使った仕事
補助部門費配賦後の当月実際製造間接費は、加工部門12,000円、組立部門18,000円であった。加工部門の実際機械時間は60時間、組立部門の実際直接作業時間も60時間であった。製造指図書No.501は、加工部門で機械20時間、組立部門で直接作業10時間を使用した。
部門別の実際配賦率と、No.501へ配賦する製造間接費を求めなさい。
解答と解説
| 部門 | 配賦率の計算 | No.501の使用量 | No.501への配賦額 |
|---|---|---|---|
| 加工 | 12,000÷60=200円/機械時間 | 20時間 | 4,000 |
| 組立 | 18,000÷60=300円/直接作業時間 | 10時間 | 3,000 |
| 合計 | 7,000 |
配賦額の金額は円です。No.501への製造間接費は4,000+3,000=7,000円です。二部門の率を単純に平均したり、No.501の時間だけを使って部門費全額を割ったりしません。
この7,000円を仕訳する場合、No.501へ集める仕掛品を借方へ、原価を移す製造間接費を貸方へ記録します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕掛品 | 7,000 | 製造間接費 | 7,000 |
部門ごとの内訳は配賦表に残します。この仕訳はNo.501への配賦分であり、他の指図書へ配賦する額まで含めた当月全体の仕訳ではありません。
予定配賦率も部門ごとに決める
部門ごとに予算と予定基準数値がある場合は、それぞれの予定配賦率を求めます。
部門の予定配賦率=当該部門の製造間接費予算÷同じ期間の予定配賦基準数値
例えば、加工部門の年間予算120,000円・年間予定機械時間600時間なら200円/機械時間です。組立部門の年間予算360,000円・年間予定直接作業時間1,200時間なら300円/直接作業時間となります。
予定配賦でも、各製品への配賦額には実際に使った機械時間・直接作業時間を掛けます。予算の期間と、製品へ配賦する当月の実際使用量を混同しません。
差異を部門ごとに確かめる
予定配賦を行った場合、部門ごとに実際発生額と予定配賦額を比べます。実際額が多ければ不利差異、少なければ有利差異です。
例えば当月の加工部門は実際5,200円・予定配賦5,000円、組立部門は実際3,800円・予定配賦4,000円だったとします。
| 部門 | 実際額 | 予定配賦額 | 部門別の差異 |
|---|---|---|---|
| 加工 | 5,200 | 5,000 | 200円の不利 |
| 組立 | 3,800 | 4,000 | 200円の有利 |
| 合計 | 9,000 | 9,000 | 差引ゼロ |
合計の差異がゼロでも、各部門で差異が発生しなかったわけではありません。部門ごとに内容を確かめてから、全体の差引額も確認します。
まとめ
補助部門費を含む各製造部門の原価を、その部門に合う基準で製品へ配ります。実際配賦・予定配賦のどちらでも部門と基準を対応させ、予定配賦差異は部門別に確認します。