Lesson 2
このレッスンで学ぶこと
会社と銀行の残高が一致しない原因を整理し、銀行勘定調整表の作成と未通知事項の仕訳を学びます。
3級の復習
当座預金への入金は資産の増加として借方に、当座預金からの支払いは資産の減少として貸方に記録します。詳しくは、3級レッスン「当座預金」で確認できます。
会社がつける当座預金の帳簿と、銀行が発行する残高証明書は、同じ口座の残高を示しています。
ところが、記録される時期がずれたり、会社が入出金の通知をまだ受け取っていなかったりすると、決算日でも残高が一致しないことがあります。
この違いを項目ごとに整理し、残高を照合する表が銀行勘定調整表です。
残高の見方
このレッスンでは、会社・銀行のどちらの残高も「当社の預金はいくらあるか」という向きで考えます。銀行自身の仕訳の借方・貸方を考える必要はありません。
差額の原因は、どちらの記録に反映されていないかによって、次の2つに分けられます。
| 差額の原因 | 調整する側 | 修正仕訳とその理由 |
|---|---|---|
| 当社は正しく記帳済みだが、銀行への反映がまだ | 銀行側 | 不要。当社の記帳は正しいため |
| 銀行には反映済みだが、当社が未記帳 | 当社側 | 必要。当社の未記帳を補うため |
銀行側を調整するとは、調整表の中で銀行残高に加減することです。当社が銀行の帳簿を書き換える意味ではありません。
決算日に預け入れ、当社は当座預金を増やしたものの、銀行の処理が翌日になった場合です。
銀行の残高には、この預入額がまだ含まれていません。そこで、銀行側に加算します。当社の記帳は済んでいるので、当社の仕訳は不要です。
買掛金の支払いなどのために小切手を振り出して相手に渡し、当社は当座預金を減らしているものの、相手がまだ銀行に持ち込んでいない場合です。
銀行ではまだ引き落とされていないため、銀行側から減算します。当社は支払いを記帳済みなので、当社の仕訳は不要です。
得意先からの売掛金の振込みが銀行では処理済みなのに、当社では未記帳だった場合です。
当社の帳簿に入金を追加するため、当社側に加算し、当座預金の増加と売掛金の減少を仕訳します。
銀行手数料が引き落とされ、銀行では処理済みなのに、当社では未記帳だった場合です。
当社の帳簿から引落額を減らすため、当社側から減算し、費用の発生と当座預金の減少を仕訳します。
今回は、両方の残高をそれぞれ調整する両者区分調整法で確認します。
例題
決算日の当座預金残高は、当社の帳簿で314,280円、銀行の残高証明書で386,000円であった。不一致の原因は、次の4件だけであった。
当日預け入れた63,100円は、当社では正しく記帳済みであったが、銀行では翌日に処理された。
買掛金の支払いとして振り出し、相手に渡した小切手42,100円が、銀行でまだ取り付けられていなかった。当社は正しく支払いを記帳済みであった。
得意先が売掛金93,600円を振り込んでいたが、当社では未記帳であった。
銀行手数料880円が引き落とされていたが、当社では未記帳であった。
両者区分調整法による銀行勘定調整表を作成し、当社の修正仕訳を示しなさい。なお、消費税は考慮せず、手数料には「支払手数料」を用いる。
| 当社側 | 金額 | 銀行側 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 調整前残高 | 314,280 | 調整前残高 | 386,000 |
| 未通知の入金を加算 | 93,600 | 未達預金を加算 | 63,100 |
| 未通知の手数料を減算 | △880 | 未取付小切手を減算 | △42,100 |
| 調整後残高 | 407,000 | 調整後残高 | 407,000 |
当社側:314,280+93,600−880=407,000円
銀行側:386,000+63,100−42,100=407,000円
両方から計算した金額が一致しました。
当社が仕訳するのは、未記帳だった3と4です。
未通知の売掛金回収は、次のように記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
当座預金 | 93,600 | 売掛金 | 93,600 |
未通知の手数料は、次のように記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
支払手数料 | 880 | 当座預金 | 880 |
1と2は当社の記帳が済んでいます。ここで再び仕訳すると、預入れや支払いを二重に記録してしまいます。
例題
例題1の修正仕訳を1つにまとめたときの、当座預金の借方金額を求めなさい。なお、同じ科目は相殺して1行で表すこと。
当座預金は93,600円増え、880円減るので、借方は92,720円です。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
当座預金 | 92,720 | 売掛金 | 93,600 |
支払手数料 | 880 |
借方合計92,720+880=93,600円となり、貸方合計と一致します。
まず、会社側と銀行側のどちらを調整するか決める
未達預金・未取付小切手は、この条件では銀行側だけを調整する
当社の未記帳は、当社側の調整と修正仕訳の両方が必要
調整表の加減と、当社の仕訳を区別する
このレッスンは、2027年3月31日までの試験範囲に対応しています。