Lesson 7
試算表から8桁精算表へ
このレッスンで学ぶこと
元帳の残高を試算表へ集め、決算整理を反映して、損益計算書と貸借対照表の欄へ振り分けます。8桁精算表で、修正額と整理後残高の違いを確かめます。

決算整理前の残高に増額・減額の修正を反映し、整理後残高をそれぞれの欄へ記入します。
3級の復習
精算表は、決算整理から財務諸表へつなぐための作業表です。費用と収益は損益計算書へ、資産・負債・純資産は貸借対照表へ整理します。
元帳から残高試算表を作る
残高試算表は、各勘定の借方合計と貸方合計の差額を集めた表です。借方の方が多ければ借方残高、貸方の方が多ければ貸方残高として記入します。
例えば、売買目的有価証券勘定の借方合計が18,000円、貸方合計が4,000円なら、差額14,000円が借方残高です。借方合計には期首の繰越額も含めます。
全勘定の残高を集め、試算表の借方合計と貸方合計が一致するか確かめます。一致していても、取引全体の記帳漏れなどを必ず見つけられるわけではありません。
8桁は四つの欄の借方と貸方
8桁精算表は、次の四つの欄をそれぞれ借方・貸方に分けます。
| 欄 | 記入するもの |
|---|---|
| 試算表 | 決算整理前の残高 |
| 修正記入 | 決算整理による増減額 |
| 損益計算書 | 収益・費用の整理後残高と純損益 |
| 貸借対照表 | 資産・負債・純資産の整理後残高など |
8桁精算表では、整理後残高試算表のための別の2列は設けません。試算表と修正記入を合わせた残高を、右側の損益計算書欄か貸借対照表欄へ記入します。
同じ側の金額は加え、反対側の金額は差し引きます。修正記入欄だけを見て期末残高にしないことが大切です。
例題 有価証券の評価替えを反映する
売買目的有価証券勘定は、期首繰越額を含む借方合計18,000円、貸方合計4,000円であった。期末時価は17,000円で、評価替えは未記帳、有価証券評価益の整理前残高はゼロである。税効果は考慮しない。
まず、試算表に記入する借方残高は18,000−4,000=14,000円です。時価17,000円へ増額するため、修正額は3,000円になります。
資産の増加を売買目的有価証券の借方、評価益を有価証券評価益の貸方に記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
売買目的有価証券 | 3,000 | 有価証券評価益 | 3,000 |
修正後の有価証券17,000円は、貸借対照表欄の借方です。評価益3,000円は、損益計算書欄の貸方へ記入します。対応する二行だけを抜き出すと、次のようになります。―は記入がない箇所です。
(単位:円)
| 科目 | 試算表 借方 | 試算表 貸方 | 修正 借方 | 修正 貸方 | 損益 借方 | 損益 貸方 | 貸借 借方 | 貸借 貸方 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券 | 14,000 | ― | 3,000 | ― | ― | ― | 17,000 | ― |
| 有価証券評価益 | ― | ― | ― | 3,000 | ― | 3,000 | ― | ― |
表の「修正」は修正記入欄、「損益」は損益計算書欄、「貸借」は貸借対照表欄を表します。
当期純損益で両欄を一致させる
すべての整理後残高を記入したら、損益計算書欄の収益と費用を比べます。
例えば、損益計算書欄の借方が60,000円、貸方が72,000円なら、当期純利益は12,000円です。少ない借方へ12,000円を記入し、両側を72,000円にそろえます。
同じとき、貸借対照表欄が借方130,000円、貸方118,000円なら、貸方へ純利益12,000円を記入して一致させます。利益が純資産を増やす関係です。
| 純損益 | 損益計算書欄 | 貸借対照表欄 |
|---|---|---|
| 当期純利益 | 借方 | 貸方 |
| 当期純損失 | 貸方 | 借方 |
純利益を損益計算書欄の借方へ書くのは、左右を一致させるためです。利益を費用として扱うという意味ではありません。
まとめ
- 元帳の借方合計と貸方合計の差額を、試算表へ記入します
- 整理前残高へ修正額を加減して、損益計算書欄か貸借対照表欄へ振り分けます
- 当期純利益と当期純損失では、精算表の記入側が逆になります