Lesson 11

財務諸表(貸借対照表・損益計算書)と精算表

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決算で使う3つの書類

決算整理と帳簿の締切りが終わると、会社は財務諸表を作成して、株主などの外部に当期の結果を報告します。
ここでは、報告のための財務諸表2つと、その作成を助ける作業用の精算表を扱います。

  1. 精算表
  2. 損益計算書(P/L)
  3. 貸借対照表(B/S)

それぞれ役割が異なります。混同しやすいので、まず「何のための書類か」を押さえましょう。

精算表とは

精算表は、決算整理の作業を一覧で確認するための道具です。
各勘定科目について、決算整理前の残高、整理する金額、損益計算書や貸借対照表へ記載する金額をまとめて見られる表です。

簿記3級で扱う8桁精算表は、次の4組それぞれに借方・貸方があり、金額の列が合計8本になります。

  • 決算整理前残高試算表(前T/B)の借方・貸方
  • 決算整理仕訳の借方・貸方
  • 損益計算書欄の借方・貸方
  • 貸借対照表欄の借方・貸方

精算表は、会社の成績や財政状態そのものを示す報告書ではありません。
決算整理仕訳に誤りがないか確かめたり、後T/Bや財務諸表を作成したりするための作業用の表です。
CBTでも、精算表の一部を読み取って損益計算書や貸借対照表の金額を求める問題が出ます。

損益計算書(P/L)とは

損益計算書は、一定期間(通常1年間)の経営成績を表す財務諸表です。
第1章「簿記の全体像」の「貸借対照表と損益計算書」のレッスンでも学びましたが、損益計算書はフロー(一定期間の動き)を表します。

左側(借方)に費用、右側(貸方)に収益を記載します。
収益の合計から費用の合計を差し引いた差額が当期純利益(または当期純損失)です。
会計期間が終わると、収益・費用の金額はリセットされ、翌期はゼロから始まります。

読み方のポイントは次のとおりです。

  • 「いくら儲かったか(または損をしたか)」を知りたいときに見る
  • 売上原価や売上総利益など、商品売買の成績もここに載る
  • 利益が出たときは当期純利益を費用側(借方)に、損失が出たときは当期純損失を収益側(貸方)に記載して、左右の合計を一致させます

貸借対照表(B/S)とは

貸借対照表は、期末時点の財政状態を表す財務諸表です。
第1章で学んだとおり、左側(借方)に資産、右側(貸方)に負債と純資産を記載します。
貸借対照表はストック(ある時点の蓄積)を表し、期末の残高は翌期に繰り越されます。

3要素の関係式

資産=負債+純資産

この関係式が成り立つことが、貸借の一致です。
読み方のポイントは次のとおりです。

  • 「決算日時点で、会社はどれだけの資産を持ち、それをどう調達したか」を知りたいときに見る
  • 貸方では、負債が上、純資産が下に並ぶ
  • 借方と貸方の合計額は必ず一致する

3つの書類の関係

決算の流れを振り返ると、次のようになります。

  1. 前T/Bを作成する
  2. 決算整理仕訳を行う(精算表で確認しながら進める)
  3. 後T/Bを作成する
  4. 帳簿を締め切る
  5. 後T/Bをもとに損益計算書と貸借対照表を作成する

精算表は①〜③の作業を支える表、損益計算書は期間の成績、貸借対照表は期末の財政状態です。

小さい精算表で流れを確かめる

次の会社では、決算整理前の現金が1,000円、備品が3,000円、仕入が1,000円、資本金が3,000円、売上が2,000円であった。期首・期末の商品はなく、仕入1,000円はすべて当期の売上原価である。未記帳の整理事項は備品の減価償却600円だけで、間接法を使う。これ以外の勘定残高・税金・整理事項はない。

整理仕訳は「減価償却費600/備品減価償却累計額600」です。精算表では、まずこの仕訳を修正記入欄へ写し、整理後の額を費用・収益ならP/L欄、資産・負債・純資産ならB/S欄へ記入します。単位は円、「—」は金額なしです。

科目 前T/B 借 前T/B 貸 修正 借 修正 貸 P/L 借 P/L 貸 B/S 借 B/S 貸
現金 1,000 — — — — — 1,000 —
備品 3,000 — — — — — 3,000 —
仕入 1,000 — — — 1,000 — — —
資本金 — 3,000 — — — — — 3,000
売上 — 2,000 — — — 2,000 — —
減価償却費 — — 600 — 600 — — —
備品減価償却累計額 — — — 600 — — — 600
当期純利益 — — — — 400 — — 400
合計 5,000 5,000 600 600 2,000 2,000 4,000 4,000

P/L欄の収益2,000円から費用1,600円を引いた400円が当期純利益です。P/L欄では借方、B/S欄では貸方へ同額を記入すると、それぞれの左右が一致します。利益そのものを費用にしたわけではありません。

正式な貸借対照表では、備品3,000円から減価償却累計額600円を控除して2,400円と示します。現金1,000円を合わせた資産3,400円と、資本金3,000円・繰越利益剰余金400円の合計3,400円が一致します。精算表のB/S欄合計4,000円と、控除表示後の資産合計3,400円を混同しないようにします。

表を埋めるときは、「整理前の額に修正を加減する」「整理後の額をP/LかB/Sへ振り分ける」「最後に利益で両欄をつなぐ」の順に確認しましょう。

この章はここまでです。

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