Lesson 6
創立費・開業費・株式交付費
このレッスンで学ぶこと
会社を作る、営業を始める準備をする、増資する。それぞれのためにかかった費用は、目的や時点によって勘定科目を分けます。

開業費は会社成立後から営業開始までの準備費用を指し、備品の購入など資産となる支出は別に記録します。
三つの費用を区別する
ここでは、創立費・開業費・株式交付費を、繰延資産へ計上せず発生時に費用として処理します。
| 勘定科目 | 支出の目的・時点 | 例 |
|---|---|---|
| 創立費 | 会社を設立するため | 定款作成、設立登記の費用 |
| 開業費 | 会社成立後、営業開始までの開業準備 | 開業準備の広告、事務所の賃借料など |
| 株式交付費 | 成立後の会社が新株発行などを行うため | 増資に直接要した発行手数料など |
会社設立時の株式募集のための費用は、創立費に含めます。「株式」という言葉だけで、設立時も増資時も同じ科目にしないようにしましょう。
例題 設立と営業開始の準備
会社設立のために要した定款作成費・登記費用の合計2,000円を、成立後に普通預金から支払った。消費税は考慮せず、発生時に費用処理する。
設立のための費用なので、創立費2,000円を借方へ記録します。支払った普通預金の減少は貸方です。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
創立費 | 2,000 | 普通預金 | 2,000 |
その後、営業開始前の開業準備のためだけに行った広告の代金1,000円を普通預金から支払ったとします。この条件の費用は開業費です。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
開業費 | 1,000 | 普通預金 | 1,000 |
創立費も開業費も、このレッスンの処理では営業外費用として扱います。設立登記が終わったか、営業を始めたかという時点だけでなく、何のための支出かも確認します。
増資のための費用
すでに営業している会社が新株を発行し、発行に直接要した手数料1,500円を普通預金から支払ったとします。発生時に費用として処理する場合は、株式交付費を借方、普通預金を貸方へ記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
株式交付費 | 1,500 | 普通預金 | 1,500 |
株式交付費は営業外費用です。株主から受け取る払込金そのものとは区別します。この費用を支払ったからといって、同額を資本金から直接差し引く処理ではありません。
準備中の支払いが、すべてこの費用になるわけではない
営業開始の準備であっても、資産として計上する備品の購入代金は備品、あとで返還される保証金は差入保証金などとして記録します。支出した時期だけで全額を創立費・開業費にするわけではありません。
例えば、固定資産として計上する条件の備品5,000円を購入して普通預金から払った場合は、備品5,000円を借方、普通預金5,000円を貸方へ記録します。準備の費用と、取得した資産を分けて考えましょう。
まとめ
- 会社の設立に要する費用は創立費へ、成立後の開業準備費用は開業費へ分けます
- 増資の株式発行に直接要する費用は株式交付費へ記録します
- 発生時に費用処理する条件と、資産を取得した支払いとの違いを確認します