売上債権とは、商品を売り上げたことにより生じる債権であり、「売掛金」「受取手形」「クレジット売掛金」「電子記録債権」のことをいいます。
これらの売上債権は、相手先の経営悪化や倒産などを理由に回収不能になることがあります。これを貸倒れといいます。
当期に発生した売上債権が貸倒れた場合、売上債権が消滅するため、まず売上債権を減少させます。
そして、同額を「貸倒損失」勘定を用いて費用の増加として処理します。
デビクレ株式会社の得意先であるA社が倒産し、当期に発生した売掛金5,000円が貸倒れとなった。
代金を回収する権利がなくなるため、資産の減少として「売掛金」勘定は貸方に来ます。
当期に発生した売上債権が貸倒れた場合、費用の発生として「貸倒損失」勘定は借方に来ます。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒損失 | 5,000 | 売掛金 | 5,000 |
貸倒引当金とは、売上債権が将来貸倒れるのに備えて計上される負債の勘定科目です。
例えば、売掛金のうち4,000円が将来貸倒れる可能性がある場合、次のような仕訳はできません。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒損失 | 4,000 | 売掛金 | 4,000 |
まだ実際に貸倒れが起きているわけではなく、将来の見込みだけを根拠に売上債権を減らすことはできないからです。
この場合は、勘定科目を次のように使い分けます。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒引当金繰入 | 4,000 | 貸倒引当金 | 4,000 |
貸倒引当金を設定する仕訳は決算整理仕訳で行います。詳しい内容は第8章「決算」で学びます。
まず、売掛金などの売上債権を資産の減少として貸方に持ってきます。ここまでは当期発生の場合と同じです。
しかし、前期以前に発生した売上債権であれば、その債権についての貸倒引当金が前期以前の決算で計上されています。
よって、まずは計上されている貸倒引当金を取り崩し、それでも足りない分だけ「貸倒損失」勘定を使って仕訳を行います。
貸倒引当金は負債なので、取り崩すとは借方に持っていくことを意味します。
デビクレ株式会社の得意先が倒産し、前期の売掛金5,000円が貸倒れた。なお、貸倒引当金の残高は4,000円である。
まず、売掛金が貸倒れたので、資産の減少として「売掛金」勘定は貸方に来ます。
また、貸倒れたのは前期発生の売上債権であり、貸倒引当金の残高が4,000円あるので、まずはそれを取り崩します。
つまり、負債の減少として「貸倒引当金」勘定は借方に来ます。
貸倒引当金を全額取り崩しても1,000円足りないため、この分を「貸倒損失」勘定で費用の増加とします。
よって、仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
貸倒引当金 | 4,000 | 売掛金 | 5,000 |
貸倒損失 | 1,000 |