Lesson 4
配当と準備金の積立額
このレッスンで学ぶこと
配当を行うとき、準備金にいくら積み立てるかは、配当額と現在の準備金残高から計算します。金銭配当の原資に応じて、利益準備金と資本準備金を使い分けます。

利益からの配当の効力が生じ、必要な準備金を積み立てた場面です。配当金はまだ支払っていません。
3級の復習
利益から配当を決めると、繰越利益剰余金を減らし、未払配当金を計上します。準備金の積立ては、配当とは別に行う純資産内の振替です。
まず二つの準備金を合計する
配当に伴う追加の積立てが必要かは、資本準備金と利益準備金の合計を、資本金の4分の1と比べて判断します。
- 準備金の合計が資本金の4分の1以上なら、追加の積立ては不要です
- 4分の1未満なら、そこまでの不足額と、配当額の10分の1を比べます
積み立てるのは、比べた二つのうち小さい方です。資本金の4分の1は、配当時の追加積立てが必要かを見る基準です。
不足額=資本金×1/4−(資本準備金+利益準備金)
不足額が正の場合:追加積立額=「配当額×1/10」と「不足額」の小さい方
不足額がゼロ以下の場合:追加積立額=0
利益からの配当でも、比較には資本準備金を含めます。利益準備金だけを使って不足額を求めないことが大切です。
原資によって積立先が変わる
原資は、その配当をどの剰余金から出すかという意味です。ここでは、どちらか一方を原資とする金銭配当を扱います。
| 配当の原資 | 準備金の積立先 |
|---|---|
| 繰越利益剰余金 | 利益準備金 |
| その他資本剰余金 | 資本準備金 |
配当額と準備金の積立額は、どちらも原資の科目から減らします。ただし、未払配当金になるのは株主へ支払う配当額だけです。
例題 不足額まで積み立てる
繰越利益剰余金を原資とする金銭配当20,000円の効力が生じた。配当直前の残高は、資本金80,000円、資本準備金14,000円、利益準備金5,000円であった。配当は適法に行われ、必要な準備金を積み立てる。配当金はまだ支払っていない。
準備金の合計=14,000+5,000=19,000円
不足額=80,000×1/4−19,000=1,000円
配当額の10分の1=20,000×1/10=2,000円
小さい方の1,000円を、利益準備金に積み立てます。
繰越利益剰余金は、配当20,000円と積立て1,000円の合計21,000円減るため、借方に記録します。貸方には、株主への支払義務である未払配当金20,000円と、増える利益準備金1,000円を記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
繰越利益剰余金 | 21,000 | 未払配当金 | 20,000 |
利益準備金 | 1,000 |
積立て後の準備金合計は20,000円です。配当金の支払額は20,000円のままで、積立額まで株主へ支払うわけではありません。
その他資本剰余金を原資にする場合
別の会社で、その他資本剰余金から5,000円の金銭配当を行った。配当直前の資本金は80,000円、資本準備金は12,000円、利益準備金は6,000円であった。適法な配当の効力が生じ、必要な準備金を積み立てる。配当金はまだ支払っていない。
不足額は20,000−(12,000+6,000)=2,000円、配当額の10分の1は500円です。小さい方の500円を資本準備金にします。
その他資本剰余金の減少5,500円を借方、未払配当金5,000円と資本準備金500円の増加を貸方に記録します。
(単位:円)
借方科目 | 金額 |
貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
その他資本剰余金 | 5,500 | 未払配当金 | 5,000 |
資本準備金 | 500 |
まとめ
- 資本準備金と利益準備金を合計して、資本金の4分の1と比べます
- 追加積立てが必要なら、配当額の10分の1と不足額の小さい方を使います
- 配当の原資が利益なら利益準備金、資本剰余金なら資本準備金に積み立てます