商品を売ったとき、売上の仕訳だけでなく、その商品の原価もその場で計上するやり方があります。これを「販売のつど、売上原価勘定に振り替える方法」といいます。
この記事では、仕組みのイメージと、よくあるつまずきどころを初学者向けに整理します。
商品売買では、だいたい次の2つを分けて考えます。
売上から売上原価を引いたものが、いわゆる粗利のイメージです。
「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」は、売ったタイミングで、売上原価も仕訳に落とすやり方です。売上が立った瞬間に、在庫(繰越商品など)から原価分を売上原価へ移します。
3級でよく学ぶ 3分法 では、期中は売上・仕入・繰越商品を別々に記帳し、売上原価は決算でまとめて計算するイメージが強いです。
一方、販売のつど振り替える方法は、販売のたびに売上原価を把握するので、期中から「いまの利益感」が追いやすい、という特徴があります。日商の改定説明でも、経営の観点や実務での採用が増えていることが触れられています。
どちらが正しいか、ではなく、原価をいつ把握するかの違いだと捉えるとわかりやすいです。
細かい科目名はテキストや問題の指示に合わせてください。流れだけ示します。
売ったとき(売上)
売掛金や現金など / 売上
同じタイミングで原価も計上
売上原価 / 繰越商品(など)
ポイントは、(1)と(2)をセットで考えることです。売上だけ書いて原価を忘れると、利益が大きく見えすぎます。
原価の金額は、先入先出法や移動平均法などで商品有高帳から求めた単価 × 数量、というケースが多いです。3級でも商品有高帳の受け払いで販売時の原価を追う学習があるので、その延長線上だと考えるとつながりやすいです。
売上の仕訳だけ書いて終わる
この方法では、原価の振り替えも同じ取引の一部です。
原価の金額を売上代金と同じにする
売上は売価、売上原価は仕入原価です。金額は別物です。
決算の売上原価の計算と二重にやる
どの方法で原価を把握するかを、問題の指示どおりにそろえる必要があります。販売のつど振り替えているなら、その前提で決算整理を読みます。
2026年度の試験範囲では、この方法はこれまで主に2級寄りでした。いま受ける人は、テキストの現行範囲に合わせて進めれば大丈夫です。
2027年度(2027年4月1日以降の出題)から、この論点は簿記3級の範囲に入ります。
紙の手形・小切手が減る改定の一環で、2級から3級へ降りる論点のひとつです。
改定全体の見通しは、こちらの記事にまとめています。
→ 簿記3級の範囲はいつ変わる?手形・小切手廃止と2027年改定