簿記2級の難易度と合格率

2026/10/6
目次

日商簿記2級の難易度と合格率について解説します。2級は3級より範囲が広く、商業簿記に加えて工業簿記も出題されます。合格率は統一試験とネット試験で集計の単位が違うので、表の読み方もあわせて確認してください。

2級の試験の枠

項目 内容
科目 商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)
問題数 5題以内
試験時間 90分
合格基準 70%以上

3級の科目は商業簿記だけで、3題以内・60分です。2級は科目がひとつ増え、題数と時間も増えます。

統一試験とネット試験は、出題範囲・問題の難易度・合格基準がいずれも同じで、同等の資格として扱われます。

難易度の感じ方

2級の難しさは、合格率の数字よりも次のような点で感じることが多いです。

  • 範囲が広い … 商業簿記では3級で学んだ内容をもとに、有価証券、リース取引、連結会計など、3級では扱わない論点も加わります
  • 工業簿記が加わる … 材料費・労務費・経費から製品の原価を計算する、3級にはなかった考え方が必要になります
  • 時間配分 … 90分で5題以内を解くため、どの大問から手をつけるかで結果が変わりやすくなります

公式の案内では、2級は「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」レベルとされています。3級の「経理関連書類の適切な処理」から一段上がる、と考えるとイメージしやすいです。

なお、3級に合格していなくても2級から受験できます。ただし、2級の商業簿記は3級の仕訳や決算の流れを前提に進むので、3級の内容に不安がある場合は先に見直しておくと進めやすくなります。

3級になかった処理の例(工業簿記)

工業簿記では、使った材料を「製品のために直接使ったもの」と「工場全体で使ったもの」に分けて記録します。

例: 当月、製品の製造のために材料 50,000円を消費した。このうち 40,000円は直接材料費、10,000円は間接材料費である。

借方 金額 貸方 金額
仕掛品 40,000 材料 50,000
製造間接費 10,000

直接材料費は製品の原価として仕掛品勘定へ、間接材料費はいったん製造間接費勘定に集めます。3級の商品売買にはない流れなので、2級を始めたら早めに慣れておきたい部分です。

直接材料費と間接材料費の分け方は、次の記事でくわしく扱っています。

確認問題

当月、製品の製造のために材料 30,000円を消費した。このうち 24,000円は直接材料費、6,000円は間接材料費である。この仕訳を考えてみてください。

答え

借方 金額 貸方 金額
仕掛品 24,000 材料 30,000
製造間接費 6,000

合格率の見方

受験者データは、方式によって集計の単位が違います。

方式 集計の単位
統一試験 回(試験日)ごと
ネット試験 期間ごと

統一試験は回ごとの数字なので、回によって大きく動くことがあります。ネット試験は1年や3か月といった期間でまとめた数字です。同じ「合格率」でも並べ方が違うので、数字だけで「ネット試験の方が易しい」「今回は難しかった」と決めないようにしましょう。

2級の合格率

統一試験(2級)

回(試験日) 実受験者数 合格者数 合格率
第173回(2026年6月14日) 4,821名 728名 15.1%
第172回(2026年2月22日) 6,038名 911名 15.1%
第171回(2025年11月16日) 6,332名 1,492名 23.6%
第170回(2025年6月8日) 5,383名 1,193名 22.2%
第169回(2025年2月23日) 7,118名 1,486名 20.9%
第168回(2024年11月17日) 7,589名 2,187名 28.8%

直近6回では、15.1%から28.8%まで幅があります。

ネット試験(2級)

期間 受験者数 合格者数 合格率
2026年4月〜2026年6月(3か月) 33,659名 10,749名 31.9%
2025年4月〜2026年3月 141,072名 46,351名 32.9%
2024年4月〜2025年3月 124,429名 44,359名 35.7%
2023年4月〜2024年3月 119,036名 41,912名 35.2%

3級と比べると

同じ期間で3級と並べると、次のとおりです。

区分 2級 3級
統一・第173回(2026年6月14日) 15.1% 33.8%
ネット・2025年4月〜2026年3月 32.9% 40.8%

この2つの区分では、どちらも2級の合格率が3級を下回っています。

3級の難易度と合格率は、次の記事で解説しています。

受験日を決めるときは

2026年度後半の統一試験は、2026年11月15日(日)の第174回と、2027年2月28日(日)の第175回で、どちらも2級を実施します。ネット試験は会場が決めた日に随時受けられますが、2026年11月9日(月)〜11月18日(水)と、2027年2月22日(月)〜3月3日(水)は施行休止期間です。

2027年4月1日以降の試験では、新しい出題区分表が使われます。2級の配点と出題形式は変わらないと案内されていますが、出題範囲は受験する年度の区分表に合わせて確認してください。

日程や申し込み方は、簿記2級の試験日程と簿記2級の申し込み方と受験料で確認できます。

まとめ

2級は商業簿記に工業簿記が加わり、90分で5題以内を解く試験です。合格率は統一試験では回ごとに、ネット試験では期間ごとに集計されていて、直近6回の統一試験は15.1%〜28.8%、直近4期間のネット試験は31.9%〜35.7%です。数字だけで易しい・難しいと決めず、範囲の広さと時間配分を前提に、学習の計画を立ててみてください。

参考